1年に1度、富士の麓で貴重な実弾射撃を披露してくれる富士総合火力演習。

そんな総火演を、100倍とまでは言わないですが、より一層楽しむ方法として

「放送で流れている射撃の号令は、どんなことを言ってるの?」

というのをまとめてみました。

最初に言っときますと筆者は中の人でも元・中の人でもありません。
アナウンスで言ってる内容とか、防衛省から公表されている資料、それに隊員さんから聞いたことのある話を合わせて、こんな内容だろうなという推定の部分が多々ございます。

なので内容の真偽は保障しませんので悪しからず。
(そもそも本当のこと、更に最新の情報は現役の隊員さんしか知らないでしょう)

陸上自衛隊チャンネルの平成28年度youtube映像の時間に合わせて解説していきます。

長くなりますので、特科・榴弾砲編、迫撃砲編、機甲・戦車編の3つにわけます。

ちなみに筆者は・・・今年もお留守番で自宅鑑賞です
。゜゜(´□`。)°゜。ワーン!クジ運無いのよー!!

おのれメ○カリやヤ○オクの転売屋共め、120mm戦車砲で吹っ飛ばしてやりたい・・・!

あっ、このブログ読んでくれた地本の方、自衛隊の広報活動に僅かながら協力してるということで、予行のチケットとか( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン

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その1・自走榴弾砲の射撃(映像10:30くらいから)

特科部隊による榴弾砲の射撃から解説していきます。

映像10:30くらいから

自走15榴 方位角5505 射角264 4回連続 斉射

これは射撃の内容を、各砲へ伝達している内容になります。

まず自走15榴は、射撃命令を下す対象を呼び出す符号です。
実際には部隊名(第1中隊など)でもなく、数字2桁の呼出符合が用いられて「こちらヒトヒトよりサンヒト」などになりますが、展示なので分かりやすく自走15榴=99式自走155mm榴弾砲と装備の名称で呼んでいるのかと思います。

方位角5505は砲の左右角度調整です。
特科射撃においては「ミル」という独自の角度単位を使います。
NATOや西側諸国の兵器運用においては、円1周360度を6400等分したのが1ミルです。
(本来は1ミリラジアン=1ミルなので約6283ミルが360度。ただ元々砲撃は誤差を考慮して撃つので実用上差し支えない範囲で、キリのいい数字の方が都合が良い。円周率を便宜的に3.14としているようなもの)

こんな感じで1周6400等分の目盛が装備品に付いています。

ちなみに照準が1ミルずれると、1km先で着弾点は1mずれます。
(この1kmで1mというのが軍事行動にはキリがよいので好まれるのです)

この号令の場合、基準方向から見て5505ミルの位置に砲の左右照準を合わせよという意味になります。

射角264は、砲の上下角度で、これもミルです。
基準線より264ミル、上に向けろという意味になります。

最後の4回連続斉射。

これは4回連続で斉射、すなわち指示を受けた部隊の砲は同時に発射せよという意味になります。

射撃の内容が決まっても、すぐには撃ちません。

この後の、斉射よーい、撃て!

の号令が各砲の発射合図です。

そして「最終弾、だんちゃーく今!」

これは有名ですね。着弾のタイミングを知らせる合図です。

これ「着弾点見えてるのに何のために言ってるの?」と思うかもしれませんが、実際の砲撃は地平線の遥か向こうに撃ちこむのが普通です。

で、その着弾点付近にFO=前進観測班という、特科部隊から派遣された着弾観測員が待機しています。
一般に普通科部隊へ随伴して行動。普通科中隊長の要請により、自己位置評定・敵座標特定・要請する射撃内容を直ちに算出して、特科へ砲撃の連絡をするのがFOの仕事です。

弾着のタイミングを知らせるのは、このFOに向けての合図なのです。
と、いうのもFOの任務として「着弾観測・効果評定」というのがあります。
弾が何処に当たったか、想定された攻撃内容が達成出来たか、弾着を見極めるのも重要な仕事なので、着弾のタイミングを見逃すことは出来ません。

要は「もうすぐ砲弾落ちてくるぞ!!ちゃんと見ろよ!!」という合図なのです。
なので実際はFOへ無線などで言っています。

続けての自走203mm榴弾砲は、呼び出しが自走20榴に変わっただけなので省略致します。

その2・FH70の射撃(映像13:20くらいから)

FH70 中隊効力射
斉射用意・・・撃て!

FH70 大隊効力射
斉射用意・・・撃て!

の2種類がありますね。

これはアナウンスでも言ってますが「中隊射撃」と「大隊射撃」の号令の違いです。

前者は中隊の全火砲で斉射せよ、後者は大隊の全火砲で斉射せよの意味となります。

その3・TOT射撃(映像15:00くらいから)

こちらFDC 対TOT 【A号】発動

まず、こちらFDCという部分。

FDCとは射撃指揮所(Fire Direction Center)で、特科の射撃の司令部となる部分です。

総火演だと、たまに映像で机をいくつも並べたところで沢山の自衛官が慌しく動いているところが写りますが、あれがFDCです。

対TOT A号発動 は、事前に指定された【A号】というTOT射撃を行うという意味です。
この後に【B号】とか【フジ】も指定されていますね。

で、斉射と違って射撃命令は出ていません。
これはTOTの発動を以って、すでにその時点から時計のカウントダウンがスタートしているためで、各砲は着弾予定時刻に合わせて射撃を行います。

TOT20秒前!は、着弾予定時刻20秒前ということです。

特科の射撃は、ミリ単位コンマ数秒単位の高い錬度を必要とします。

それ故に、命令も簡単明瞭かつ、確実に伝わるものでないといけないのです。

痛飛行機弐