災害派遣などでも何かと見る機会の多い陸上自衛隊の回転翼部隊。

輸送・偵察、更にAHは火力支援と陸上自衛隊の戦力として欠かせない存在ですが、陸自ヘリは現実問題、非常に厳しい状態に置かれています。

今回は、少々辛辣な内容ですが、陸自の笑えるに笑えない厳しすぎるヘリ事情を解説していきます。

既に旧世代装備
対戦車ヘリAH-1

対戦車ヘリコプターAH-1Sは試験機の導入後、1982年から本格的な配備を開始。
2000年まで調達が継続された機体です。

2017年3月末現在で導入された90機のうち59機が現役機ですが、如何せん老朽化が避けて通れない事態となっています。

本来、AH-64Dアパッチが後継機として順次AH-1Sを置き換えるものとされていましたが、アパッチの導入は事実上「失敗」に終わっています。

またAH-1Sは主武装として20mm機関砲とTOWミサイルを装備していますが、TOWミサイルはその特性上、射撃後の離脱が不可能で着弾する瞬間まで発射母機が誘導を行う必要があります。

歩兵携行対空火器などの発展した現代においてはヘリコプターからのTOWを用いた攻撃は既に陳腐化された方法と言わざるを得ません。

20年以上掛けて更新
UH-1J多用途ヘリ

災害派遣などでも何かと見る機会が多い、UH-1ヘリコプター。

平成28年度末で131機が配備されており、名実ともに陸上自衛隊の主力ヘリコプターと言えますが、最初に導入された機体は1993年製と運用開始から20年以上が経とうとしています。

これを置き換える計画としてUH-Xが進められ、富士重工業とベル社による『富士ベル412+』をベースとした機体の調達が決定しているのですが・・・

富士重工側の計画では、この機体の民間型を同時に販売する計画としていますが、民間型の販売計画が不調に終われば、その分が防衛省の調達分に跳ね返る可能性は否定出来ません。

そうなると今度は防衛省の調達計画が狂い出してと、ズルズルと尾を引きかねない事態に。

本当に調達が予定通りに進むのか、非常に不安が多いのです。

後継機は未だ飛べず
観測ヘリOH-6

空飛ぶタマゴの愛称でも親しまれるOH-6観測ヘリ。

その後継機はOH-1が担う予定、だったのですが・・・

当のOH-1は2015年に洋上への不時着を起こして以来、完全に沈黙状態となっています。
エンジン改修により飛行再開が可能とされていますが、全ての機体がエンジンの改修を終えるのに果たして何年掛かるのか、そもそもエンジン改修した機体は性能を維持出来るのか、全くもって不透明な状態にあります。

そんな状態にも関わらず、OH-6は既に定期整備(IRAN)最終号機が2016年に整備完了しており、最早引退までは待ったなしという状態です。

そもそもOH-1の調達自体が40機にも満たない数しか揃えられなかった上に、全機の飛行再開がいつになるやらという状態。

OH-6は事実上、後継機の無いまま務めを終えることになるのです。

 

他にも陸自のヘリ問題は、挙げていけばキリが無いのですが・・・

あえて一言でまとめるのなら。

オスプレイより大事なものがあるんじゃないですかね・・・