政府要人の輸送というと、千歳に本拠地を置き747の政府専用機を運用する特別航空輸送隊が有名ですが、陸上自衛隊にもVIPの輸送に特化した特殊な飛行隊があることはご存知でしょうか。

木更津駐屯地に在籍する、中央即応集団隷下・第1ヘリコプター団特別輸送ヘリコプター隊です。

画像に写ってる3機のヘリで、政府要人やVIPの輸送を担っています。

最近では某巨大不明生物の「内閣総辞職ビーム」をくらって有名に・・・

今回はそんな特別輸送ヘリコプター隊を紹介していきます。

VIP輸送に特化した飛行隊

歴史を辿ると1986年に開催された第12回先進国首脳会議(東京サミット)における外国要人の空輸任務を担うためにAS-332を装備する臨時部隊を編成。
その臨時部隊をベースに設立された「特別輸送飛行隊」が起源です。
(サミット開催は1986年5月、部隊の正式発足は同年秋の国会において陸上自衛隊への要人輸送任務が付与されてからだった為、同年12月まで先延ばし)

木更津で主にCH-47JAなどを運用する第1ヘリコプター団に属しており「ヘリコプター輸送隊」として隊の扱いでありながら、第1ヘリコプター団の団長直下に置かれ隊長が一等陸佐という特殊な位置づけが与えられています。
(一般に飛行隊の隊長は二等陸佐、一等陸佐は飛行隊を束ねる飛行群などの責任者である)

OD色や陸上迷彩塗装などが施される陸上自衛隊のヘリとは違い、グレー・白・ブルーの3色を用いた塗装が施された、特殊なヘリを用いて任務に当たります。

下や横から見るとグレー、上から見ると白というのは地上や洋上からの目視では空に溶け込みやすく、また上空から見たときは海に溶け込みやすい、軍用機の迷彩塗装の一種です。

ちょうどP-3C哨戒機の旧式塗装が同様の効果を狙って施されているものになります。

しかし任務の内容を考えた場合に迷彩効果の必要があるのかというと疑問なところなので、単純にデザインの問題という可能性も無きにしもあらず。

機体はEC-225シュペルピューマMkⅡ+を使用します。

海上保安庁や東京消防庁にも採用されており、850km近いヘリとしては長めの航続距離と20名以上の旅客を運ぶ事の出来る高い輸送能力を有する、大型輸送ヘリコプターの代表的な機種です。

海保や消防では救難活動に従事することからも分かるとおり、その大柄な機体に似合わず非常に優れた機動性も有しており、航空祭ではかなり激しい機動飛行も披露しています。

欧州製ヘリ導入の苦労エピソード

EC-225はユーロコプターが開発した欧州製ヘリコプターですが、実は自衛隊機において欧州製ヘリは、この1機種しかありません。

これが実は結構な苦労が伴う話のようで、何故なら

米国製ヘリと欧州製ヘリはローターの回る向きが「逆」

なのです。

ヘリコプターはメインローターの回転に伴って生じる逆トルクを、テールローターで打ち消しながらヨーイングを調整して飛行します(足元のラダーペダルでテールローターを調整する)
なので回転が逆ということは、このヨーイング操作も全部左右逆になるのです。
シビアな調整を要するヘリにとって「操作が逆」というのは機種転換に相当な労力を要するようで、特別輸送ヘリコプター隊結成時のパイロット養成にあたっては苦労話が絶えなかったとか。

機内はどうなってる?

機内はセキュリティの関係からか、あまり一般公開されることが無く外から見える様子などからしか伺いしれません・・・

と思っていたら

安倍総理がtwitterで機内の様子を紹介してくれました。

ドアの位置などから推定すると、恐らく総理が座っていらっしゃるのは、この窓の辺りかと。
高級感溢れる内装・革張りのシートやら機内電話らしきものまで、高級セダンのような雰囲気ですね。流石VIP仕様。

また総理の右側を見ると後ろに制服の自衛官らしき方々が。
メインドア辺りを境に機内前方が要人搭乗スペース、後方はスタッフ用のスペースと分けられているものと思われます。

一度、このVIPヘリでフライトを体験してみたいものです。