最近発売されたエースコンバット7 SKYS UNKNOWN

筆者の戦闘機好きの原点の1つとも言えるエスコンシリーズの最新作、10年待った続編にもう感涙の一言です。
(エスコンの話は、また違う機会にでも)

エースコンバットシリーズといえば、戦闘機にミサイルが100発近く積んであったりしますが、当然実際の機体にそんなミサイルは積めません。

では実際の戦闘機は、どれくらいのミサイルや武装を搭載出来るものなのか。

日米の機体を中心に解説していきます。

戦闘機にミサイルを積む

戦闘機にミサイル、または爆弾などを積み込む場合、ただ取り付ければ良いというわけにはいきません。

まず機体側には『ハードポイント』と呼ばれる装着部が必要です。
ハードポイントに直接付けられる場合もありますが、装備によっては『ランチャー』というミサイルや爆弾を保持・分離する装置を別途取り付けます。

ハードポイントは位置によって『第○ステーション』と呼ばれ、機体の1番左側が第1、そこから右に進むにつれて数字が増えます。
更にハードポイントがあれば何でも積めるというわけでもなく、重量の制限やサイズの制限、更に機体側との適合などから搭載出来る装備品には制限があるのが一般的です。

また装備を増やせば燃費も悪化し、機動も大きく制限を受けます。

「積める量」と「ミッションに適した量」は異なるという点にも注意が必要です。

F-4E(EJ)ファントム

本格的なミサイルによる空戦の時代の黎明期を戦ったF-4ファントム。

E型では主兵装として目視外射撃が可能なセミアクティブレーダーホーミングのAIM-7スパロー。更に短距離交戦用のAIM-9サイドワインダーを備えます。

ファントムのミサイルは胴体下部の半埋め込み式(機体に溝があり、その部分にミサイルを密着させて搭載する)ハードポイントと、左右主翼の内側ハードポイントに搭載され

  • 胴体下部:4発
    (AIM-7スパロー)
  • 主翼:ランチャーを介して左右各2発。計4発
    (AIM-9サイドワインダー)

※AIM-120の搭載に対応した改修仕様も欧州に存在

合計8発のミサイルを搭載可能となっています(航空自衛隊ではAIM-9の代わりに90式空対空誘導弾AAM-3も可)

加えて機首下部に搭載されたM60A1機関砲の搭載弾数は640発です。

なお対地攻撃能力の無いF-4EJは例外として、ファントムには対地爆撃装備やEJ改では対艦ミサイルの運用も可能ですが、この場合には各主翼のハードポイントを使うことになります。

F-15イーグル

第4世代戦闘機の傑作機の1つと言える大型制空戦闘機F-15イーグル。

短距離戦闘用のAIM-9サイドワインダーに加えて、初期はファントムと同じくAIM-7スパローを主武装としていますが、後にアクティブレーダーホーミングのAIM-120などの運用能力を獲得しています。

機体そのものは「テニスコート」と称されるほどの面積を持つ大型機のイーグルですが、ミサイルの搭載数を見ると

  • 胴体下:4発
    (AIM-7またはAIM-120など)
  • 主翼:左右各2発
    (AIM-9サイドワインダーなど)

合計で8発。

実はミサイルの搭載数そのものはファントムから変わっていません。

なおF-15では通常サイドワインダーなどが搭載されているハードポイント(第2・第8ステーション)の更に外側に第1・第9ステーションというハードポイントも存在しますが、実際に何かがここに搭載されたという実績は無いようです。

(増槽が付いてるのが第2/8ステーション。第1/9ステーションは主翼の日の丸より少し胴体よりのあたりに存在する)

なお基本的に対空ミッション専用のF-15ですが、左右主翼のポイントに専用のランチャーを取り付けることでMk.82無誘導爆弾を左右各3発、合計6発の搭載にも対応しています。

またF-15Jの場合、機関砲はM60A1で940発を装填可能です。

F-15E
ストライクイーグル

F-15イーグルをベースとして戦闘爆撃機と呼べるほどの搭載量を実現したF-15Eストライクイーグル。

胴体下部左右にコンフォーマルタンク(通称CFT。機体に密着する固定式増槽)が搭載され、その1つにつき外側に3箇所、内側に6箇所という凄まじい数のハードポイントが追加されています。

主翼にあるポイントや胴体下部のポイントと合わせるとその数は17箇所にも及び、これらに最大11トンまでの爆装が可能。
Mk.82、いわゆる500ポンド爆弾なら最大26発を積めるストライクイーグルの搭載量は現代の戦闘機の中でもトップクラスと言えます。

なお空対空ミッションの場合には従来のイーグルと同様、ミサイル8発が限界です。

但しイーグルは主翼に短射程のミサイルしか搭載出来ないのに対し、ストライクイーグルは主翼にもAIM-120を搭載可能となっており、AIM-120の搭載可能量は最大6発です。

なお機関砲の搭載弾数は元のイーグルより少ない512発となっています。

F/A-18E
スーパーホーネット

艦載戦闘機であるF/A-18Eもストライクイーグル同様に多種多様なミッションに対応出来る戦闘機の1つです。

左右両翼端に各1箇所。主翼には左右各3箇所、更に胴体下部も併せて合計11箇所のハードポイントを有しています。

F/A-18Eは対空ミサイルを大量に積む事が可能で2連式ランチャーを介することでAIM-120を左右各5発で10発。更にAIM-9を左右翼端に2発で、合計12発の装備が可能と言われています。
但しあくまでも「積める量」であり、実際の搭載例ではAIM-120を6発としていることが多いようです。

また機関砲の搭載弾数はストライクイーグルより更に少ない412発となっています(将来拡張用に弾薬ドラムのスペースを削ったため)

F-2

対地・対艦まで多彩なミッションを担当するF-2の場合、主翼両端の第1・第11ステーション(空対空ミサイル発射レール)と胴体直下の第6ステーション。

更に各主翼に第2/10~5/7ステーション(左は2~5、右派7~10)。

合計11箇所のハードポイントを備えています。

空対空ミッションの場合には増槽搭載用の第5/7ステーションと胴体下部の第6ステーション以外にミサイルを装着。
AIM-7またはAAM-4を左右各2発の4発。AAM-3を左右各2発の4発。合計8発のミサイルを搭載することが出来ます。

対艦ミッションの場合には、左右各2発の空対艦ミサイルと翼端にAAM-3。
対地ミッションの場合には、左右各2発のGBU-38爆弾と翼端のAAM-3を装備可能です。

機関砲は512発を搭載出来ます。

F-35
ライトニングⅡ

航空自衛隊でも導入の進むF-35。

ステルス性確保のためにミサイルは基本的に機体内部のウェポンベイに格納されますが、ここにはAIM-120を2発。加えてAIM-120をプラス2発か対地誘導爆弾を2発のどちらかという限られた装備しか搭載することが出来ません。

更に機関砲は口径の大きい25mmのGAU-22/Aとなりましたが、携行弾数は180発と少なめになっています。

但しステルス性を求めないミッションでは左右主翼に各3箇所のハードポイントを設けることも可能です。

また将来的には対地誘導爆弾用のスペースに対空ミサイルの搭載を可能として、ステルス形態でもミサイル6発を運用可能とするアップデート計画も存在しています。

まさかの16発搭載?
将来の改修計画

ここまで見た中で最大のミサイル搭載数はF/A-18EのAIM-120×10発+AIM-9×2発の合計12発ですが、将来の計画としてこれを超えるものがあります。

F-15イーグルをミサイルキャリアーとするF-15・2040と言われる計画で、主翼ハードポイントに4連装ランチャーを装備するなどの改良により最大で16発のAIM-120を携行可能となります。

このような計画がある背景としては第5世代戦闘機の弱点とも言える搭載量の少なさを補うという思想があるようです。

F-35が『眼』として敵を捕捉し、ミサイルを大量に積んだミサイルキャリアーからのミサイルでそれを撃ち落す。

そのような任務において大型で強靭な機体を持つF-15のような戦闘機は適役なのでしょう。

※参考文献

  • F-4ファントムⅡの科学(著:青木謙知)
  • F-2の科学(著:青木謙知)
  • F-15Jの科学(著:青木謙知)
  • 世界の傑作機F-4E,F,GファントムⅡ(文林堂)
  • 日本のステルス機F-35ライトニングⅡ(イカロス出版)
  • 世界の名機シリーズF/A-18(イカロス出版)
  • F-15完全マニュアル(イカロス出版)
  • 月刊JWings各号(イカロス出版)
  • 戦闘機と空中戦の100年史(著:関賢太郎)