先日、西日本各地を襲った水害。

亡くなられた方のご冥福を祈ると共に、不自由な生活を余儀なくされている皆様が1日でも早く日常を取り戻すことを祈っております。

さて、今回の水害に対する自衛隊の活動の一環として、コンビニエンスストアの商品を自衛隊が輸送するという支援が行われたようです。

これに対して様々な意見が飛び交っているようなので、筆者なりにこの件を整理してみたいと思います。

コンビニ各社は
指定公共機関

この件を考える上で、まず大前提となるのがコンビニ大手の各社は災害対策基本法における『指定公共機関』として指定を受けているという点です。

指定公共機関とは、公益性の高い事業を行っており被災時にその影響が大きい企業等で主に電気・ガス・運輸などのインフラ事業が該当しますが、平成29年の7月にコンビニやスーパーなど小売店を営む7法人が追加されています。

その理由について内閣府は

当該7法人は、災害発生時において、地方公共団体や政府災害対策本部を通じた要請により、物資支援協定等に基づき、全国の店舗網等のネットワークを活かして、支援物資の各種品目の調達、被災地への迅速な供給等を担うことで、災害応急対策に貢献することが見込まれます。
http://www.meti.go.jp/press/2017/06/20170627001/20170627001.htmlより

としています。

コンビニは災害時において、もはや無くてはならないものなのです。

これがコンビニだから違和感があるかもしれませんが

  • 燃料不足に陥ってるので自衛隊が燃料を運ぶ
    (今回の水害でも輸送艦によるタンクローリー輸送を行っています)
  • 停電の早期回復に向けて自衛隊が支援する

などであれば、どうでしょうか?

それなら仕方ないと思われる方も多いのではないでしょうか。
しかし燃料も電気も、それぞれの会社にとってはお客さんに売る「商品」です。
コンビニの場合、それが食料品やらに変わるというだけです。

なお指定公共機関になることは、一方的なメリットばかりではありません。
企業側は防災計画の策定を義務付けられるなど、相応の責任が生じます。

支援を受けられるのは利益の供与でもなんでもなく、その責任を日頃から果たしているからなのです。

物資供給の協定

コンビニ各社は防衛省や、各自治体と災害時の物資供給についての協定や覚書を結んでいます。

主にコンビニが保有している在庫から支援物資などを優先的に調達出来るという内容ですが、その他にも

  • 自治体は企業に対し早期の営業再開や継続を要望出来る
  • 企業は営業再開に対する支援を求めることが出来る

といった内容も含まれています。

つまり「公」の立場から、災害時にコンビニの営業をサポートすることは協定で認められていることなのです。

 

以上の点を整理するとコンビニ各社は

  • 災害時の指定公共機関である
  • 自治体等と物資供給協定をかねてより結んでいる

これらの根拠により災害派遣に出動している自衛隊の支援を受けることが出来ると考えます。

災害時だから無料に
すべきという意見

さて若干、本題と外れますが、この件に際して
「災害時に商品を『売る』んじゃなくて、政府が買い上げて配布すべき」
という意見も見られました。

確かに家を失って避難所に身を寄せるしかない人に商品を売るというのは酷かもしれませんが、被災地とは必ずしもそのような人ばかりではありません。

浸水被害を受けたけど生活には支障が無い人、避難所へは行かずに知り合いを頼って身を寄せる人、様々な『被災者』がいます。

このような人達からすれば『お金はあるのに物流が麻痺して物が買えない』という事態もあり得るのです。

そして物資の不足は買占めや不当な価格での販売などに繋がり、治安の悪化にも繋がりかねません。

よって「普通の経済活動」が可能な状態にするというのは、これも立派な1つの災害支援であると筆者は考えます。