社会人の基本は報告・連絡・相談、ほうれん草だと新入社員研修で教えられた方は多いかと思います。

もっとも、この言葉の本質は下位職の心がけではなく、職場を管理する立場の人間が「報告・連絡・相談がスムーズに行われるような職場環境・人間関係を作りなさい」という意味合いだとも言われておりますが。

さて当然、軍事の世界においても上官が何かを判断するには情報が必要です。
しかし軍事学においては情報は勝手に集まるものではないとされています。

今回は「情報要求」について解説していきます。

指揮官の情報要求

指揮官が何かを決断する、例えば作戦案を決める際には、とにかく情報が必要です。

自分の部隊は現在どれだけの戦闘能力を発揮できるかは勿論、敵の位置は何処か、進むルートはどのような地形か、作戦期間中の天候はどうなるか。

指揮官1人では当然全ての情報を集めることなど出来ませんので、部下に情報を持ってくるように命令することになります。

ただ、この際に「自分が必要な情報を持って来い」はNGとされます。
(筆者も前の会社で経験しましたが「何も言わなくても必要なことを勝手にやるのが部下の務め」みたいな上司いますよねorz)
「自分は、このような情報を欲している」と、情報の優先順位を含めて命じなくてはならないのです。

この「どんな情報が欲しいか」という命令を「情報要求」と言います。

またその中でも特に優先順位が高いものを

EEI(Essential Elements of Information)
CCIR(Commander’s Critical Information Requirement)

と称します。

繰り返しになりますが「自分が決断をするために、何を一番必要とするか」は部下が忖度するものではなく、指揮官自らが決めるものです。

情報収集は情報要求から始まる

軍隊には直接自らの眼で確認するための偵察部隊があったり、また各種衛星などから得られる観測データ、更には諜報活動や日頃の観測活動から蓄積されたデータなどが大量に存在します。

それらの情報の中から、必要なものをチョイスする、または偵察部隊などに必要なものを「取りに」行かせる。

それらの動きは全て指揮官の情報要求から始まるものとされています。

「指示待ち人間は社会人失格」などと言われますが、何もせず座して待てば勝手に部下が動いてくれると思っている「報告待ち上司」も軍事の世界においてはダメということですね。