先日、大分空港に緊急着陸した後、エンジンの修理作業に入っていたアメリカ海兵隊のオスプレイ。

本日9/7に作業完了の後、試運転を行ったようですが、その際に白煙が上がったと一部メディアが騒いでいるようですが・・・

あの白煙、何ら問題は無いのです。

と、いうかオスプレイに限った話ではありません。

あの白煙の正体は何なのか?どうして出るのか、その辺を解説していきます。

そもそも、あの白煙は何?

そもそも「白煙」という表記が正しいのかどうかが微妙なところではあります。
どちらかというと「霧」とか「雲」みたいな表現が正しいのではないかと。

あの白煙の正体は、ずばり「油」です。

細かな油の粒子が大気で冷やされて霧状になったものが、白い煙のように見えているのです。細かな水滴が大気中に沢山あると霧になる原理と変わりません。

実はブルーインパルスのスモークと一緒

あの白煙とまったく同じ原理を使っているのが、ブルーインパルスのスモークです。

ブルーインパルス仕様のT-4にはエンジンの排気ノズル近くにスピンドルオイル(切削油)を噴射する装置が付いています。

噴射したオイルが排気の熱で気化する→少し後ろで再度液体に戻ったときに霧としてスモークを引いているのです。

なので直近でブルーのスモークを浴びると、少し甘いようなオイルの香りが漂います。

画像の赤丸の部分が噴射ノズル

何で白煙が出るの?

整備直後のエンジンというのは、大なり小なり油が染み出しています。
これはエンジンが回転体であり駆動部・回転分がある以上、自然なことです。
(油が全く染み出さない構造にしたら、抵抗が大きすぎて回りません)

また特にオーバーホールなどの大掛かりな作業を行った場合には、作業用のオイルやパーツを長期保管するための保管油などが塗られている場合もあります。

こういった漏れた油や塗られている油が高温になったエンジンにより一度蒸発→大気に触れて冷えた事で、再度液体に戻る→それが「霧」として白煙に見える、というのがあの白煙の正体になります。

オスプレイ以外でも普通に出る

さて、原理が分かったところで、あの白煙現象はオスプレイ固有のものなのか?というところを解説していきます。

結論から言ってしまうと「NO」です。

燃料以外の油が混じる可能性のある内燃機関であれば基本的に全て発生する可能性はあります。

特に外気温度が低いとき(気化した油が液体に戻りやすい)や整備を終えたばかりの状態(油が多い)、または新品を初めて動かす時(保管用の油脂類などが塗られている)などは白煙が生じやすいです。

オスプレイで白煙が多いと言われてるのは?

これは筆者も正確なことは分かりませんが、ティルトローターとしてエンジンユニットの角度が水平→垂直に変わるというのが関係していると思います。

普通、エンジンは水平状態を基準に上下の傾きが○度までという想定で設計されます。
飛行機でも戦闘機や曲芸機などで短時間垂直になることはあっても、垂直のまま長時間動かすという想定はしていないでしょう。

と、なると水平でも垂直でも使用しなければならないオスプレイのエンジンユニットには何かしらオイル周りの系統に特殊な設計がされていると考えるのが妥当です。
むしろ普通のジェットやターボプロップの設計と同じならオイルが行き届かなくなりオーバーヒートや焼き付きを起こします。

そのため、エンジン内部に油が染み出しやすい→エンジンスタート時に白煙を上げやすいということではないでしょうか。

ただ、それを見越してオイルの搭載量などを決めているなら欠陥機でもなんでもありません。

 

と、いうわけで「白煙が出たからオスプレイは欠陥、危険」というのは全くのデタラメということになります。
白煙が出たら欠陥機だというなら、恐らく日本の空を飛べる飛行機なんてないでしょう。

痛飛行機弐