自衛隊階級別役職(3佐編)
「佐官」と呼ばれる階級の中で、一番低い階級にあたるのが3佐(少佐)です。
同じ士官でも尉官と佐官では、大きく変わってくる部分があります。
役職にもよりますが「作戦行動の最小単位を統率する」という点です。
限定的ながら、人事に関する権限(懲罰など)も有する事が出来るので、会社で言えば、ここからが「課長」、即ち管理職に相当する部分でしょうか。
あるいは一個の店をエリア統括から任される「店長」とかですね。
故に、3佐への昇進は、士官にとって1つの大きな壁なのです。
三等陸佐
主に中隊長を務めます。
中隊には、それぞれに「隊旗」が与えられます。赤の旗に白の一本線は「普通科中隊旗」です。
陸軍には師団~班(分隊)まで組織がありますが、基本単位は「中隊」です。
中隊は英語でカンパニーと呼ばれ、ここからが1つの「組織」であり、それを指揮する中隊長になって初めて「コマンダー=指揮官」と呼ばれます。
(小隊長はコマンダーではなくリーダー)
普通科中隊を例にとると、隷下に中隊本部、小銃小隊を3~4個、迫撃砲小隊、対戦車小隊など、普通科の一式装備が詰まっており、おおよそ100~200人ほどの人員を抱えることになります。
三等海佐
二佐が艦長を務める一般的な汎用護衛艦では、副長や砲雷長・機関長など、いわゆる「分隊」単位のトップになることが多いです。
艦内の1つの部門を総合的にまとめあげるという意味で、やはり陸自の中隊長と同様の能力が求められます。
またミサイル艇や掃海艇など「艇」に区分される船では、三等海佐が艇長に命じられます。
この点でも「1つの独立した組織運用の長になる」という、尉官と佐官の大きな違いが、はっきりと見て取れます。
三等空佐
パイロットだと、飛行隊長の1つ下になりますので、編隊長(エレメントリーダー)資格保持者などベテラン操縦士が主にこれにあたります。
また大型機の場合は、機長が三等空佐で副操縦士に尉官というパターンも多いです。
ブルーインパルスの1番機で2年目のOR(任務待機)にあたるポジション、またブルー6機編隊での副編隊長を担う5番機操縦士も三等空佐です。
パイロット以外では、陸自の中隊に相当する規模の隊長に就任していることが多いです。(事務部門なども多い)
ここまでがいわゆる「佐官」の領域ですが、陸海空、何処も近年は幹部自衛官の育成が追いつかずに、本来三佐の務めるポジションに一尉をあてるということも、しばしば発生しているようです。
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