大空の覇者・イーグル

航空自衛隊の主力戦闘機としても活躍するF-15、通称イーグル。

初期モデルの初飛行は1972年、米軍での運用開始は1976年。

自衛隊でJ型の導入が開始されたのも1981年と、およそ30年以上の長きに亘って世界屈指の制空戦闘機として、その座を確固たる物としています。

F-22ラプターやF-35などの最新型ステルス機に比べれば見劣りする部分は否定できませんが、それでも当面の間、イーグルが世界の空から引退することはないでしょう。

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F-15 J/DJのここが魅力

F-15の魅力は、なんと言ってもその巨大な機体。

全長は19.3m 電車1両・20mとほとんど変わりません。翼の幅も13.1mで、ビル4~5階と同じくらいです。初めて間近で見ると、その巨体に圧倒されることでしょう。

そして、その巨体を飛ばすエンジンも、また豪快です。

F-15のエンジン推力はAB使用の最大推力で10800kg、これを2発。
なんと、重さ20t超の推力があるのです。

ちなみにAB無しのクリーン推力でも2発で13200kgの出力があります。

F-15の機体空虚重量が13tほどなので、自らの重量と変わらない推力を持つエンジンを積んでいることになります。

大型の機体が、超出力のエンジンで豪快に飛び回る姿はTHE・戦闘機と言わんばかりの迫力があります。

F-15が長年第一線にいれるわけ

早々と表舞台から姿を消す戦闘機もある一方で、イーグルが30年以上の長きに亘り第一線級の性能を維持できる理由として、その大型な機体による拡張性の高さがあると言えます。
全長は19.3m、全幅は13.05m。
全長はファントムと変わりませんが、幅は1m以上長く、その機体は圧倒的な存在感を放ちます。イーグルはとにかく巨大な戦闘機なのです。

またエンジン出力も凄まじく、アフターバーナー作動時のエンジン推力は21.6t。
ファントムのJ79ピュアジェットと比較しても1.3倍近い推力を発揮します。
(出力がありすぎてAB無しの推力でも空虚重量より大きいほど)

機体のサイズが大きく、更にエンジン出力に余裕がたっぷりあるということは、後から必要になった装備を追加したり、また高性能だけど大型で重量のある装備と入れ替えたいなど、改修における自由度が非常に高いというメリットがあります。

戦闘機というのは何かと、極限までサイズを切り詰めたり、重量を削ってしまうものなのですが、イーグルはまさに真逆の発想です。
しかし、これこそがイーグルが世界の第一線に君臨し続ける理由なのです。

レーダー・アビオニクス・電子戦装備などは凄まじい速度で進化を続けていますが、機体そのものに改修を行える余裕が無ければ、手詰まりです。

その点イーグルは機体自体に高い改修の自由度を与える事で、将来的に電子装備の改修を要する自体になった時に、対応しやすくしたのです。

改修が行いやすい=最新の装備に改修しやすい=性能が陳腐化しない

これがイーグルが第一線級の性能を維持し続ける理由です。

自衛隊のイーグル

自衛隊のイーグルは単座のJ型と複座のDJ型が存在します。

J型は165号機まで(801~965号機)
DJ型は48号機まで(051~098号機)

合計213機のイーグルが自衛隊に導入されました。
(事故などで12機が用途廃止の為、現存機は201機です)

ちなみに現存する部隊で、最初にイーグルの運用を開始したのは千歳基地所属の第203飛行隊です。
(自衛隊では202飛行隊への配属が最初)

現在では200番台の飛行隊と、303~306飛行隊にイーグルが配備されています。

F-35Aの導入も決まっていますが、数の上から言っても、当面はイーグルが日本の防空の要である事は揺るがないでしょう。

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Pre-MSIPとJ-MSIP

自衛隊に導入されているイーグルではPre-MSIPと言われる区分があります。

Multi-Stage Improvement Program 多段階能力改修プログラムを通称MSIPと呼び、その日本版としてJ-MSIPという呼称が用いられているのですが、MSIP対象外の初期ロットの機体をPre-MSIPと呼んでいます。

J型だと801~898号機、DJ型は051~062号機がこれにあたります。

外見での判別は付きにくいですが、コクピットなどは大きな違いがあり、アナログ計器メインのPre-MSIPに対し、J-MSIPは多目的表示ディスプレイなどの導入が進んでいます。

また、それ以外にも主に電子系の分野において、違う機体と言ってもいいくらいの差が付いています。

このPre-MSIP機に大幅な改修を施すには、かなり大掛かりな作業と予算が必要と言われており、航空自衛隊の今後において大きな課題となっています。

即ち「改修したほうが良いのか、いっそ買い換えるか」という問題です。

Pre-MSIPは初期ロットの機体なので、自衛隊のイーグルでも早いうちに寿命を迎え始めます。
故に、残りの飛行時間に対して多額の予算を掛けて改修するのが適切か否かというのは難しい問題なのです。

(筆者の予想は「F-35Aに買い換える」だと思っています)

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(近代化改修のハードルが高いPre-MSIP機。今後どうなっていくか)

イーグルの今後

米軍のイーグルでは、F-15/2040Cなる改修計画が存在するようです。

これは、F-15の頑丈な機体と拡張性、高出力のエンジンを活かして、多数の空対空ミサイルを携行させるという計画。

F-35Aなどのステルス機は携行出来るミサイルに限りがあるので、ヘビーミサイルキャリアーとしてイーグルに少し後ろを随伴してもらい、ステルス機とのデータリンクで戦うというスタイルが提唱されているみたいです。

ボーイング社の提案プランを見る限り、搭載可能になる空対空ミサイルは

16発  オオスギル…w( ̄▽ ̄;)w

現在のイーグルでも8発積めるので、最早エースコンバットか何かの世界ですね…

なお自衛隊ではRF-4の後継機としてイーグルのPre-MSIP機を回そうかというお話もあったようですが、最近このお話どうも聞かなかったところに、グローバルホーク導入のニュースもあったので、さてはて何処へいったのやら。

しかし、チタン合金を多用したボディーは当初の予想を遥かに超える強度だったこともあり、耐用飛行時間は大幅に伸びるとも言われています。

少なくとも向こう20年くらいは日本の空でイーグルは飛び続けると思います。

何処に行けば見れるの?

F-15の配備基地は、全国にあります。

なので、航空祭や訓練見学で見れる機会は多いです。

北海道・千歳基地(新千歳空港隣接)

第2航空団 201飛行隊と203飛行隊が所属しています。

石川県・小松基地(小松空港隣接)

第6航空団 303飛行隊と306飛行隊。

加えて「飛行教導群」が所属しています。

飛行教導群のF-15は独特のカラーを纏っています。

彼等は全国のパイロットから選りすぐられて

「仮想の敵役」としてパイロットの訓練相手をする

「パイロットの指導役」でありエリート中のエリートです。

岐阜県・岐阜基地

様々な試験を行う「飛行開発実験団」が所属しています。

宮崎県・新田原基地

第5航空団 305飛行隊と飛行教育航空隊が所属しています。

305飛行隊は、2016年夏に茨城県・百里から異動になりました。

飛行教育飛行隊はF-15のパイロットを養成する訓練部隊です。

戦闘機パイロット課程をクリアしたパイロット候補者が、

最後にここで実機を使った訓練を受けています。

沖縄県・那覇基地(那覇空港隣接)

第9航空団 204飛行隊と304飛行隊が在籍しています。

2016年、南西方面の緊張激化を受けて、ほぼ連日のように

スクランブル発進を繰り返している、非常に多忙な部隊の一つです。

ギャラリー

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画像は全て筆者撮影につき、無断での御使用は御断り申し上げます。

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