自衛隊の装甲車を集めてみた

自衛隊の装甲車を集めてみた

自衛隊の装甲車

先日、装輪装甲車(改)の試作1号機が納入されたとの報道発表がありました。

 

防衛装備庁HPより画像引用
防衛装備庁HPより画像引用

装輪装甲車(改)は、96式装輪装甲車の後継機として開発が進んでいるもの。

自衛隊には96式含め、多数の装甲車が存在します。

現役で活躍しているものを、一通り見比べてみましょう。

軽装甲機動車

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Light Armoured Vehicle の頭文字をとって通称「ラヴ」と呼ばれます。

定員4名ですが、写真のように上部ハッチを開いた場合には、そこに1名が追加で乗ることが出来ます。

これが導入させるまでの間、普通科部隊の移動は基本的に非装甲車両である「高機動車」や「1/2tトラック」で行っており、防御力が非常に脆弱でした。

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(高機動車は高い走破性を持つが、装甲は無い)

そこで最低限の防御力を持つ、普通科隊員用の「足」として導入されたのがラブです。

駐屯地によっては体験乗車なども行ってくれる、何かと身近な存在です。

96式装輪装甲車

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陸上自衛隊で初の本格的な装輪装甲車として導入された車両です。

乗員2名に加えて、最大12名の隊員を輸送することが出来ます。
ラブのように一般的な愛称はないみたいですが、自分の知る限りでは「キューロク」と呼んでる方が多いような。

基本的に隊員の乗り降りは後ろのハッチから行いますが、上の写真だと進行方向左側の隊員さんが支えている観音開きの上部ハッチも付いており、上面から体を出す事も可能です。

筆者も体験搭乗した機会がありますが、15トン近い重量の割りに結構凄まじい加速でグイグイ走っていくイメージです。

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固定武装として40mm自動てき弾銃を装備しています。

こちらは同じ96式装輪装甲車ですが、40mmてき弾銃ではなくて、M2重機関銃を装備したタイプ。
機甲科部隊の随伴歩兵運搬用として配備されています。

89式装甲戦闘車

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ラブや96式が人員輸送を主眼にしているのに対し、89式装甲戦闘車は、より積極的に戦闘への参加を前提とした車両です。

Fighting Vehicleの頭文字をとって「FV」と呼ばれます。

車内には乗員の他に7名の搭乗スペースがあるので、小銃分隊が一つ乗れる計算です。

搭載されている火砲はエリコン35mm機関砲。
アパッチの30mmよりも大口径の砲を積んでおり、重機関銃への対応を想定した装甲車両であれば十分に貫く火力を持ちます。

また誘導弾も装備しており、戦車等の重装甲車両に対しても、ある程度の攻撃が可能です。
(最も、この手の車両は戦車と一緒に行動することが前提ですが)

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96式と同様、出入りは後部ハッチから。
また、ハッチを始め各所に付いている丸い穴は「銃眼・ガンポート」で、ここから搭乗している隊員が小銃による射撃を行うためのものです。

性能は良いのですが、お値段が高く(最終調達価格で6億円ほど)、結果的に北部方面隊にしか行き渡らなかったため、なかなか見れる機会がありません。

本州ですと富士教導団・普通科教導連隊のある滝ヶ原駐屯地などに少数が配備されているだけです。

82式指揮通信車

「指揮通信車」の名が示すとおり、主に司令部などに配備され、本部要員や通信要員などが搭乗します。最大搭乗数は操縦手も含めて8名。

固定武装はありませんが、M2重機関銃やMINIMIなどをハッチに搭載する事が可能です。

ちなみに装輪戦闘車両は現在ではオートマが多いのですが、82式についてはマニュアル操作になっているとのこと。

将来装輪戦闘車両計画で、後継車種の開発が計画されていますが、まだ当面は82式が現役で頑張ることになるかと思います。

87式偵察警戒車

指揮通信車と似ていますが、こちらは偵察部隊に配備される車両で25mm機関砲という強力な固定武装を有しています。

装甲と重火力の固定武装を生かして、相手を射撃して出方を伺う「威力偵察」を主任務とする車両です。

73式装甲車

今はだいぶ数を減らしているようですが96式の調達が未だに継続されているため、まだ一部で現役のようです。(主に北部方面隊・機甲科部隊)

アルミ製の車体など、時代を感じさせる装備が満載です。