救難ヘリだけじゃない、命を運ぶ自衛隊機・急患搬送

救難ヘリだけじゃない、命を運ぶ自衛隊機・急患搬送

昨今、テレビ番組の特集などで救難ヘリコプターや航空救難団の活躍が特集される機会が度々あり、その活動に高い注目が集まっています。

時に危険な現場へ向かい、命がけの救助にあたる救難隊の活躍に敬意を払う一方、国民の「命」を運ぶ自衛隊機は他にも沢山あるのになぁと思い、今回は主に急患搬送の任務にあたる自衛隊機を紹介したいと思います。



航空自衛隊の輸送機

航空自衛隊の輸送機による急患輸送は主に美保基地に所属する第3輸送航空隊によって、島根県の隠岐から美保基地まで実施されるのが最も多い事例です。

過去にはC-1輸送機、現在はC-2輸送機がこの任務を請け負っています。

また、実施事例は少ないですが、小牧基地に所属するC-130輸送機が航空機動衛生隊と共に空飛ぶ集中管理室とも呼ばれる機動衛生ユニットを用いて任務にあたる事例もあります。

CH-47・LR-2・UH-60
第15ヘリコプター隊

沖縄県に所属する第15旅団の航空部隊である、第15ヘリコプター隊。

そこに所属するCH-47、UH-60、LR-2の各航空機は、連日連夜と言っても過言ではないほど数多くの急患輸送に携わっている自衛隊機です。


沖縄県の離島及び鹿児島県の奄美諸島は、沖縄本島及び九州からの距離が非常に離れており、これをカバーする為には相当な航続距離が求められます。
しかし、それだけの距離を飛べる機体は必然的に運用コストがとてつもなく高価な大型ヘリコプターとなり、地方自治体の財政で維持するにはあまりに負担が大きいというのが実情です。

2月下旬にて第15ヘリコプター隊の急患搬送の実績は9990人を超えており、近日中には1万人を超えます(前身の101飛行隊時代を含む)。
南の島の島民にとって、第15ヘリコプター隊の航空機はまさに「命綱」なのです。

(画像については15ヘリの機体を撮影していないため、関東所属部隊の機体画像になります)

海上自衛隊哨戒機

海上自衛隊の救難活動というとUS-2飛行艇が注目される機会が多いですが、実はP-1やP-3Cといった固定翼哨戒機も急患搬送任務で活躍しています。

P-1やP-3Cが投入される機会が特に多いのがUS-2飛行艇やUH-60J救難ヘリコプターからの「バトンタッチ」による搬送任務です。

海上自衛隊では海上保安庁からの要請に基づき、US-2飛行艇やUH-60Jを用いて航行中の船舶からの急患輸送任務を行うことがありますが、ヘリコプターは言わずもがな、飛行艇も長距離を素早く移動するのは苦手な航空機です。
この場合、船舶からの救助を実施後、最寄りの航空基地へ向かいそこで待機している固定翼哨戒機に搬送を引き継ぐということが行われます。

また東京都知事からの要請に基づき小笠原諸島からの急患搬送も行われますが、この場合も硫黄島に所属するUH-60Jが患者を硫黄島まで搬送、そこから本土へ厚木基地のP-1が搬送を引き継ぐという急患搬送が実施されています。
(過去には父島へ直接US-2が向かうこともあったが、事故による損失後は運用に余裕が無いためか、あまり実施されていない模様)

 

消防・海上保安庁・警察、各都道府県の防災ヘリなどもありますが、先ほどの第15ヘリコプター隊の項でも述べた通り大型で高性能な機体の運用は困難なケースも多いのが現状です。

故に高性能な機体を有し、また厳しい条件下での運用能力を有する自衛隊機による急患搬送は離島に暮らす人々にとっては欠かせないものなのです。