2020年、去り往く自衛隊機とその後を継ぐもの

2020年、去り往く自衛隊機とその後を継ぐもの

2020年、今年は長年日本の空で働いてきた多くの機体が、その翼を休める年でもあります。

今年、日本の空を去る自衛隊機と、そしてその後を継ぐ機体を紹介していきます。


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RF-4E/RF-4EJ

戦闘機ファントムをベースとした機体に、武装ではなく撮影機材を搭載したRF-4E偵察機。
F-4EJ戦闘機から偵察機へとその役目を変えたRF-4EJ偵察機。

両機体の所属する第501飛行隊と共に2020年3月を以って、その役目を終えることが決まっています。

初号機の901号機は1974年の導入。
およそ45年に亘り、日本各地を空から見てきました。

本来、敵陣に強行突入して命懸けで写真を撮ってくる任務を与えられている機体ですが、その偵察能力は大災害の被災地を撮影して災害対応に役立てるという形でも日本の為に貢献して来ました。

今後、空からの偵察任務は無人偵察機グローバルホークが引き継ぐことになります。

なお、RFではない通常のファントムの完全退役は『2020年度』ではありますが、現在のところもう一度年越しを跨いで2021年3月になる予定です。

但し百里基地航空祭で隊員さんにお伺いしたところ『2020年末には残存数は10機ほどではないか』とのことでした。
特に300番代の機体は次々と姿を消していくことになるでしょう。

空飛ぶタマゴ
OH-6D

1969年に自衛隊に初めてOH-6Aとして導入、その後改良型のOH-6Dへと切り替わって400機近くが生産されたOH-6ヘリコプター。

その丸っこい外見からフライングエッグ、空飛ぶタマゴと呼ばれたり、海上自衛隊で練習機として採用された機体は黄色に塗装されていたことからコールサイン「レモン」とも呼ばれて愛された機体です。

こちらもRF-4と同じく2020年3月を以って、全ての機体が退役することが確定しています。

OH=観測ヘリコプターとして対戦車ヘリコプターと共に行動して索敵を行ったり、野砲部隊と協力して着弾観測を行うのが本来の仕事ですが、その小型な機体と俊敏な動きを活かして人員や物資の輸送にも活躍しました。

OH-6の引退後は、観測ヘリコプターとしての任務はOH-1が引き継ぐことになります。但しOH-1はエンジン改修中の為、当面飛行出来る数ははかなり制限されます。

また人員・物資輸送は多用途ヘリのUH-1JやUH-60JAが、その任務を引き継ぎます。

今年が最後の航空祭?
YS-11FC

こちらは2020年引退が確実とは言えないですが、今年の航空祭が最後になるのでは・・・?と思われる機体です。

戦後初の国産旅客機であるYS-11。
民間旅客機としては既に姿を消し自衛隊のみで運用されていましたが、それも年々残り少なく。
特にオリジナルのダートエンジンを積んでいる機体は昨年まで2機ありましたが、そのうちの1機である160号機が退役したことで遂に最後の1機となりました。

残る151号機は飛行点検隊のフライトチェッカーとして使われていますが、2020年、このフライトチェッカーの後継機であるサイテーション680(U-680となる見込み)が2020年に自衛隊へ導入されます。

慣熟訓練や移行期間もある為、新型機就役=すぐにYS-11の退役とはならないですが、後継機導入によりいつ退役の時が来てもおかしくないと言えます。

特に入間基地航空祭への参加は、今年で最後になっても不思議ではないでしょう。

1965年に導入されて50年以上飛び続けた航空自衛隊の最長老機。
2020年はその引退ももしかしたらあるかもしれません。