自衛隊の各部隊を編成する○○中隊や○○小隊といった組織名。

小隊よりは中隊の方が大きくて、大隊はそれよりも大きくて…と概ね想像は出来ますが、それぞれ、どのくらいの規模で、どういった階級の人が指揮しているのか。

軍隊を組織する部隊の規模について、主に普通科=歩兵を中心に解説していきます。

分隊・班

自衛隊において、最も小さな組織が分隊または班と呼ばれる編成で、概ね10名前後の隊員により組織されます。

陸上自衛隊普通科の場合、高機動車1台で1個分隊が丸ごと移動出来ると言われています。

なお分隊と班の違いですが、班の方が規模の大きな組織と一般的には言われていますが、時代や国によっても定義がまばらであり一概にどちらが規模の大きな組織とは断定出来ません。

とりあえず小隊を構成する、最も小さなグループが分隊または班と考えれば間違いはないでしょう。

分隊の指揮は主に曹クラスの「分隊長」が行います。
いわゆる「鬼軍曹」「歴戦の曹長」などと言われる人達です。

小隊

分隊が3つまたは4つ集まることで小隊を編成します。
人数は概ね30名~40名、学校のクラス1つ分ほどになることが多いようです。

分隊は曹=下士官が指揮する組織ですが、小隊を束ねる小隊長は「幹部=士官」が行うのが原則であり、分隊と小隊の大きな違いであると言えます。

中隊

中隊は英語ではCompany(歩兵中隊の場合)と呼ばれます。

Company=一座、集団または会社・企業という意味の言葉があてられているのは、中隊こそが軍隊の中で最も基本的な組織単位であると言えるためです。
各部隊に与えられる旗も中隊旗が最小の単位であり、小隊旗や分隊旗というのは基本的に存在しません。
(例外として教育隊の区隊は小隊規模だが、区隊旗がある)

隊員の懲罰権や外出許可権なども原則として中隊長に与えられているため、言うならば中隊長以上が会社でいうところの管理職なのです。

普通科中隊を例に見ると、隷下には小銃小隊だけではなく、迫撃砲小隊や対戦車小隊も入ることになり、更に中隊全体の業務を取り仕切るため

諸外国では歩兵中隊長は大尉(自衛隊の一尉)があたることが多いですが、自衛隊の普通科では三佐=少佐が中隊長というのが基本となっています。
(特科・機甲などでは一尉が中隊長)

これは後述しますが、自衛隊の普通科には「大隊」が存在しないという理由からです。

大隊

自衛隊に限らず、各国の陸軍でも大隊というのはなかなか定義が難しい存在となっています。

先ほども書いた通り、陸上自衛隊の普通科には大隊が存在せず、普通科連隊の中に第1中隊・第2中隊…と直接中隊が置かれる構成になっています。

唯一例外は習志野に本拠地を置く第1空挺団ですが、こちらは大隊がある代わりにその上位の連隊が無く、団→大隊となっています。

大隊とは連隊と中隊の中間、その指揮結節点としての意味合いが強いのです。

連隊

陸軍・陸自では連隊に対して「連隊旗」が与えられます。

中隊旗や大隊旗に対して、連隊旗は軍旗(自衛隊旗)そのものです。

自衛隊の場合、自衛隊旗については

第一条の二 自衛隊旗は、法第二条第二項に規定する陸上自衛隊(以下「陸上自衛隊」という。)の連隊に、自衛艦旗は、同条第三項に規定する海上自衛隊(以下「海上自衛隊」という。)の部隊の編成に加えられる自衛艦に交付するものとする。

(自衛隊法施行令)

とされており、護衛艦に掲げられる自衛艦旗と同等の存在です。

これが与えられるということから、連隊というのものが軍事組織の中でどれだけ重要な存在かお分かりいただけるのではないでしょうか。

陸軍にとって連隊とは、歴史と切っても切り離せない関係にあります。

欧州において近代的な民主主義国家が成立する以前、軍事組織というのは各地を統治する領主が各々で集めて1つの部隊を結成し、それを国王に提供するというのが一般的でした。

この「各地の領主が集めた部隊」こそ、現在の連隊に続くものと言えます。

領主や絶対君主といった存在の無い民主主義国家となった現代では、連隊も軍の中の1組織となっていますが、先ほど書いたような連隊旗の扱いを見ても「連隊」は陸軍・陸自にとって他の部隊単位とは違う特別な存在なのです。