先日イギリス軍のアルビオンと一緒にホストシップである掃海母艦「うらが」も公開されたため、こちらも見学して来ました。

公開前日の入港の模様も合わせてご覧ください。

「うらが」とは

うらが型掃海母艦のネームシップMST-463「うらが」。艦の名は浦賀水道に由来します。

平成30年時点での所属は第1掃海隊で横須賀が母港です。

掃海母艦とは?という話は後ほど記述します。

前日入港

入港予定時刻の30分ほど前にレインボーブリッジをくぐり晴海埠頭沖へと現れた「うらが」

お台場の建物をバックに海自の艦艇を撮れるのは晴海埠頭への入港ならではです。

アルビオンと同じく右舷側で接岸するために、敵前ならぬ埠頭前大回頭。

回頭を終えて、接岸作業を開始。

水上・陸上でロープを扱う人、中央で状況を監視して指示を出す人。

100mを超える艦を動かすというのは本当にチームワークなのだなと。

回頭から20分ほど掛けて接岸を完了。

この近さで更にデッキから入港作業を見れるというのは、客船埠頭ならではの有難さですね。

艦艇見学

日は変わって、見学日当日。

船首には綺麗な「URAGA」のマットが敷かれて、船首の日章旗と一緒に写真を取れるスポットが。

DDの護衛艦だと速射砲が設置されてるスペースが空いているので、広々と感じます(「うらが」にも本来、76mm砲の設置計画はあるそうですが)

側舷に配置されているクレーン。
入港時にはタラップを展開させるのに必要な資材を下ろすのに利用していました。

随分と太い、黄色のケーブルのようなもの。

「掃海電線」といい、磁気に反応する機雷などを除去するための道具だそうです。共に行動する掃海艇・掃海艦のための予備資材として搭載されているとのこと。

こちらは燃料及び真水補給用のホース類。

ここで最初に書かなかった「掃海母艦」とは何かという話になりますが、掃海艇・掃海艦は排水量が1000トンに満たない小型艦のため、どうしても搭載できる資材や物資に限りがあるとのこと。

そのため、掃海母艦が物資・燃料・真水などを支援したり、また掃海ヘリコプターに対しても同様に活動支援を行うそうです。

掃海部隊の洋上補給基地・母港としての機能を有する故の「掃海母艦」なのです。

掃海は何故、重要か?
うらが幹部さんのお話

後部甲板では訓練用の模擬機雷が設置されているのと一緒に、うらがの幹部さんが色々と説明したり質問に答えてくれていました。

「掃海とは?」という基本的なところから詳しい話まで、非常に興味深い内容でしたので、その一部を記します。

機雷の費用対効果

高いものでは数百億や千億単位の予算を組んで建造される大型艦。
それに対して機雷は安いものなら1発の値段は数百万円。

数百万円の機雷1発が何千倍、何万倍もする値段の船を沈めたり行動不能にしてしまうので、機雷は船を攻撃する手段の中でも極めて費用対効果が高い。

この大きさの機雷1発で5000トンを超える「うらが」も十分すぎるほどにダメージを負うとのこと。
特に商船は装甲を有していないので、巨大なタンカーでも致命傷を負う可能性があり、数万ドルの兵器が与える経済的損失は計り知れないそうです。

機雷戦による心理的効果

機雷が船舶に対する非常に強力な攻撃手段であるため「機雷が敷設された」という情報が入ると、その心理的効果が非常に高い。

例えば浦賀水道の入口に機雷があると噂が立てば、東京湾を出入りする商船は一斉にストップしてしまう。

機雷が敷設されたと分かれば掃海部隊が捜索・除去を行うが、航路の「安全宣言」を出すのは容易ではない。
機雷が海中に無い事を証明するのは非常に困難である。

 

機雷を除去する掃海部隊の存在意義が海洋国家について如何に生命線となり得るか、とても分かりやすい説明でした。

 

艦橋見学

今回うらがの見学では、艦橋も見せてくれるということなので登ってみる事に。

艦橋に登ると、信号旗が一式ズラリと収納。
ここから取り出して使うんですね。

入ってすぐのところにはラッパが。

航海用の磁気コンパス。

右舷側にある赤い座席は艦長席、左舷側の黄色の座席は総会群司令官の席。

ちなみに、どれだけ偉い人が乗艦しても艦長席は絶対に場所が変わらないそうです(上官が乗っても、艦の最高責任者は艦長であるため)

操舵席からの光景。

操舵席からだと窓が遠くて外が見にくいですが
「操舵員は直接自分で外を見る必要がないんです。実際にどういう操作をするかは操舵を担当する幹部が指示して、操舵員はそれを正確に実行する」
との説明。

こちらは機関推力の操作器。操舵員がボタン操作するそうです。
もっと飛行機のスロットルのような大きいレバーだと思っていました。

一通り艦橋を見学して、うらがを後に。

掃海に関するお話から、艦橋見学までなかなか濃密な時間を過ごせました。

うらが乗員の皆様、ありがとうございました。