以前に戦闘機のIRAN=Inspection and Repair As Necessary、メーカーに持ち込んでの定期整備について、その費用を調べてみましたが、更に大型の輸送機や哨戒機の場合、どれほどになるのか。

契約情報などからこちらも調べてみました。

ちなみに、参考までにF-15J戦闘機でIRAN費用は1.65億円ほどです。

なお金額は全て契約額より消費税分8%を除いた金額としています。

C-1輸送機

戦後初の国産ジェット輸送機となるC-1輸送機。

IRANは製造者でもある川崎重工が請け負っています。

気になるIRANの費用は1機あたり約4億円

戦闘機の2倍以上、やはり大型機は手間も費用も掛かるようです。

なおエンジンのオーバーホールは別契約(IHIが担当)となっており、エンジン1基で約8400万円、両側のエンジンで1.7億円の費用が掛かります。

C-130H輸送機

ハークの呼び名で知られるC-130H輸送機、こちらはロッキードで生産された完成品を輸入していますが、IRANは川崎重工が請け負っています。

ハークのIRAN費用は約6.1億円。

C-1輸送機と比較しても1.5倍近い価格となっています。

考えられる理由としては

  • 機体数が少ないので1機あたりの費用が割高になる
  • 製造元から技術支援を受けたり、ライセンス料を受ける必要がある

などでしょうか。

なおエンジンのオーバーホール費用は1基で約3900万円、4基全部で1.5億円掛かります。

P-3C哨戒機

P-3C哨戒機のIRANは、先の2機と同じく川崎重工で行っていますが、何故か契約がややこしく。
2国や3国などと呼ばれる国庫債務負担行為での契約と、単年度の契約が複数種類存在します。

ここでは最も分りやすい単年度の契約を見てみることにしまして

約3.5億円

C-1輸送機よりも若干安いくらいでしょうか。

加えてエンジンのオーバーホールは1基で約7300万円、4基で約3億円です。

YS-11

最後に、今も自衛隊で活躍するYS-11のIRAN費用を解説します。

YS-11のIRANは厚木基地に隣接する日本飛行機が担当しています。
と、いっても日本飛行機自体が川崎の100%子会社ではありますが。

YS-11のIRAN費用は約1.3億円。

思ったよりも安い金額が出てきて、筆者自身が驚きました。

なお機体そのもののIRAN費用は「YS-11」一括で同じですが、エンジンのオーバーホールはオリジナルのダートエンジンとスーパーYSに換装されたもので異なります。

ダートエンジンの場合→1基で約4000万円
スーパーYSの場合→1基で約5000万円

左右両基で見ると、およそ2000万円の違いが生まれます。

しかし、ここ2年ほどダートエンジンのオーバーホールは契約されていないようです。
いよいよ、オリジナルエンジンのYS-11も最後の時が近いことを感じさせます。