10トン20トンの機体を豪快に加速させる戦闘機のエンジン。

haiki1

バイパス付きのターボファンエンジンとはいえ、もう見るからに熱そうですが、この温度、はたしてどのくらいあるのか。

戦闘機のフライトマニュアルから探ってみました。

参考にするのがF-16 A/B型 Block10と少し古いのは、手持ち資料の都合でご勘弁ください。

エンジン型式はP&W F100エンジン、イーグルにも搭載されている、1基で最大13トンの出力まで出せる、高出力エンジンです。

ミリタリースラスト

アフターバーナーを使用しない状態での、最大出力です。

この状態でのエンジン後方、危険エリア図を見ると

エンジンノズル後方15フィート、即ち4.5mくらいの地点で

426℃

学生時代の教科書引っ張り出して見てみたら、鉛や亜鉛が溶け出すくらいの温度だそうです。

ちなみに、ミリタリースラストの状態では後方15mほどの地点でも150℃の熱があるようで、人体と同じ約35℃まで下がるには、およそ100mの距離が必要とのこと。
エンジン全開の戦闘機後方には、絶対に入ってはいけません(そもそも入れるか)

アフターバーナー

ミリタリースラストより、更に高出力を求めるときに使うアフターバーナー。

排気ノズルで燃料吹きかけて、更にもう一度燃やしてるわけですから、その排気は、もはや排気というか、巨大不明生物の火炎放射みたいなもんです。

で、これがどれくらいの温度があるのか調べてみると先ほどと同じエンジンの真後ろ15フィート、4.5m地点では

1650℃

熱すぎ!!!!

金銀銅、鉄、身近にある鉄鋼すら溶け出す温度です。

しかも、その超高温の排気ガスが時速850kmで吹き付けられるという恐ろしさ。
もはや火砕流か何かの世界ですね。

ちなみに約50m離れても260℃。

35℃くらいの安全な温度に下がるには、およそ312mが必要とのこと。

航空基地の滑走路周りに広大な敷地が用意されている理由が、非常によく分かります。
(もちろん他の理由もありますが)

アイドル

エンジンの最低推力であるアイドル推力。

この状態だとノズルの近くでも、およそ100℃。
約25mほど離れれば、ほぼ人体には影響の無い温度に下がるそうです。

 

航空祭では、機体から観客席まで非常に距離が取られていて、もっと近くで見たいなぁと思うこともありますが、これだけ凄まじい熱を放っていると思うと、あれだけの距離が確保されているのも納得ですね。

 

余談

ちなみに・・・なんで、こんなのを急に調べようかと思ったのかといいますと

いつも拝見してる、たぬき先生が、こんな回答をしていたので

「じゃあ、アフターバーナーで串焼きやってみたらどうなる!!??」

という、本当くだらない興味本位です、はい。

結論から申し上げますと、1600℃を超えてくると鋼鉄でも溶けるので、融点の高いレアメタル使って「耐熱串」の製作から始めないと、そもそも串が溶けてなくなりますね。
お肉はもう、ちょっとでも炙りすぎたら炭の粉末で吹っ飛んでいくかと思います。

でも筆者は、こういう「馬鹿げたことを本気で考えてみる!」の大好きです。
空想科学読本シリーズみたいなやつですね。

これからも機会があれば、この手の話をやってみたいと思います。

痛飛行機弐