目達原駐屯地所属のAH-64Dの墜落事故。

1名殉職、1名は行方不明(執筆した時点において)、また民家を巻き込み負傷者も出すなど昨年から続く自衛隊機事故の流れを断ち切るどころか、更に状況が悪化する最悪の事態となりました。

亡くなられた方のご冥福と、巻き込まれた方の早期の回復を祈るばかりであります。

 

さて、陸上自衛隊の回転翼調達については、その計画の甘さが以前より指摘されており、特にAH・攻撃ヘリコプター(自衛隊では対戦車ヘリ及び戦闘ヘリと呼称)の調達に関しては、かなり厳しい状況となっています。

平成29年度防衛白書によれば現在の陸自のAH保有数は

  • AH-1S コブラ→59機
  • AH-64D アパッチ→13機
    (今回の事故により1機喪失)

一見すると、十分な機数があるように思えますがAH-1Sコブラは1981年に調達が開始され一番新しい機体でも1998年度予算で計上された機体(受領は2000年度)。

調達順に退役していると考えた場合、現在ある59機のうちの幾つかは「昭和」の時代の予算で計上されています。

正直なところ「著しく老朽化」した装備品です。

本来AH-64Dがこれを置き換えるはずだったのですが、調達が上手く行かずにAH-64Dは10機の調達+後に3機追加の13機しか調達されませんでした。

本来なら更新されるはずの計画だった機体を無理矢理運用している状態であると言えます。

そして陸自のAH部隊は全国の各方面隊隷下の航空部隊である第1~第5対戦車ヘリコプター隊として分散配備されています・・・

正直なところ老朽化の著しい機体を分散して配備させているのは、限りある資源を無駄に食いつぶすことになっていると思います。

ならば、いっそ何処か1箇所。あるいは西に1箇所、東に1箇所などに集めるべきではないか。
集中して運用することで質の改善を図るべきではないかというのが筆者なりの意見です。

1箇所に集中して運用するとすれば、その部隊としては木更津に本拠地を置く、第1ヘリコプター団が候補として挙げられるかと思います。
2箇所であれば北海道や九州など機甲科部隊が今後も配備される地区に置くという案がありえるでしょう。

そもそもAHを全国に配備しているのは、冷戦時代の「仮想敵国の大規模な上陸作戦に対抗する」という安全保障を色濃く引きずっている形です。
現状、仮想敵国の機甲部隊による大規模侵攻などが起こる可能性は高くないとされている以上、全国にAHを配備しておくのは過剰であると言えるでしょう。
AH-1Sは局地的な運用しか出来ませんが、AH-64Dなら沖縄までフェリーフライトが可能なくらいの航続距離もありますので、必要な場所へ必要な時だけ展開することも不可能ではありません。

 

過剰なものを強引に維持する為に機体を、そして何より貴重な人員を失って何のためになるのか。

予算を増やす、人を増やすという議論も必要かもしれませんが

「現状での最善の策は何か?一番大事なことは何か?」

を積極的に議論しなければ、予算も人も増やしたところで、穴の開いた桶から水が漏れるが如くに、なるだけだと思うのです。