自衛隊機を操縦するためには、操縦教育課程を修了して防衛大臣管轄の技能証明書を取得する必要があります。
(いわゆるウィングマーク)

一度取得した技能証明は基準を満たす限り、退官まで有効だそうですが、実は自衛隊の操縦免許には大きく分けて三段階あるのです。

自衛隊の操縦免許事情を解説していきます。

最初に取得するのは「操縦士」

航空自衛隊ならT-7及びT-4、海上自衛隊であればT-5及びTC-90・P-3C課程(固定翼)で訓練を積んだ後に「操縦士」として技能証明を取得します。

操縦士資格は自衛隊機の操縦要員として最低限必要な資格で、これを取得する事がいわゆる「ウィングマーク」となります。

経験を積むと上級操縦士へ

上級操縦士は以下の規定を満たすことで取得できます。

  • 操縦期間7年以上
  • 訓練時代も含め飛行時間が2000時間
    (戦闘機の場合、訓練で340時間なのでプラス1660時間必要)
  • 計器飛行証明(緑)を有すること

なお計器飛行証明(緑)は、計器飛行証明の上級資格です。
所定の訓練を終えた段階では、計器飛行証明(白)が与えられます。

戦闘機の場合、年間230時間(指定機種200時間+練習機30時間)が基準飛行時間と言われているので、2000時間への到達はやはりそれなりの年数が掛かります。

更に上の「高級操縦士」

上級操縦士の更に上位として「高級操縦士」という制度があります。

高級操縦士として飛行するには

  • 操縦期間15年以上
  • 訓練時代も含め飛行時間が3000時間
  • 上級操縦士資格及び計器飛行証明(緑)を所持
  • 二等陸佐、二等海佐、二等空佐以上の階級であること

二佐というと飛行隊長(第○○○飛行隊などの責任者)に相当する階級です。
ただし一般に飛行隊長は航空学生出身者よりも防衛大学や幹部候補生課程出身者が多いイメージがありますので、叩き上げのパイロットというよりもそういった幹部コースを歩む人々が該当する制度なのかもしれません。

少し違うヘリや陸自の連絡機パイロット事情

上記の説明はあくまでも固定翼パイロットの制度で、ヘリのパイロットは別の制度が設けられています。

H操縦士と、その上位資格である上級H操縦士の2種類です。

上級H操縦士取得の条件として、7年の飛行経験は変わりませんが、飛行時間が1500時間に短縮されています。

これはヘリコプターは基本的に長時間のフライトを行わないため、固定翼とは操縦時間の考え方が異なるためだと思われます。
(固定翼と回転翼では飛行時間を単純に比較できないそうです)

また陸自の連絡機だけ固定翼にも関わらず、L操縦士と上級L操縦士という2種類の資格が別で用意されています。

陸上自衛隊は独自の固定翼操縦教育課程を持っておらず海上自衛隊に委託しているので、その点から別制度になっているのかもしれません。

※参考資料
航空従事者技能証明及び計器飛行証明に関する訓令

痛飛行機弐