10月31日、先進技術実証機(Advanced Technological Demonstrator-X)、X-2が試験飛行を完了したとの話が流れて来ました。

随分と早いお勤め終了にも思えますが、当初から試験飛行期間2年、テスト回数50回程度と言われていたので、初飛行から1年半、延べ34回のフライトで終わったのは予定よりも少し早い程度なのかもしれません。
なお関東在住の筆者にとっては結局、画面の中の存在でした(苦笑

さて、X-2の試験飛行が終わったことで、日本の戦闘機開発は次の段階へと進むことになります。

いわゆる「F-3」と言われる戦闘機が今後実現するにあたって、どのような道をたどる事になるか。
改めて整理してみましょう。

なお以降、F-3とは「F-2戦闘機の後継となり得る国産戦闘機の仮称」と考えて下さい。

X-2はF-3の原型機ではない

X-2はあくまでも純粋なXナンバー、先進技術実証機であり、これ自体は戦闘機の原型とはなり得ません。

ステルス性能など今までシミュレーションや地上実験で培ってきた技術を「実際の飛行機として確認する」のがX-2の意図するところであり、この形状がそのままF-3の基本設計として使われることは、まず無いでしょう。
(そもそも制空戦闘機としては小さすぎます)

ただしX-2で培った飛行データなどは、今後の研究に生かされていきます。

F-3計画はいつごろ始まるか

X-2の試験飛行が終わった現在は

「今後、国産戦闘機を開発継続していくか、海外とどのように協力していくかの見通しを決めるにあたり、その計画策定に必要なデータを収集した」

という段階です。

防衛省では平成27~29年度をバーチャル・ビークル=「各種研究の成果を踏まえた将来戦闘機の技術的成立性に関する研究」と位置付けており、X-2もこの研究の1つです。

バーチャル・ビークルの研究結果を元に、今後より詳細な話が煮詰めていくことになります。

防衛省平成30年度予算案より

少なくとも平成30年度予算として、実現性に関する研究が挙げられている以上は、防衛省としては開発プロジェクトを継続していく計画のようです。

将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン(i3 Fighterと呼ばれる計画が載ったもの)では平成33年度以降を開発期間としているので、今後どんなに早くても平成30年度予算にて具体的なコンセプトを設計、更に次年度でより本格的な開発の計画に着手という流れになるのではないでしょうか。

少なくとも来年度や再来年度の予算案が発表されるまでは、具体的な話は出てこないかもしれません。

F-3が飛ぶとしたら

F-3はF-2の退役に合わせた戦闘機調達計画の選択肢になり得るものとして進んでいる計画です。

なので、F-3の退役開始時期(推定2030年代後半~2040年頃)には機体として完成している必要がありますが、何せこれから構築される計画です。

米軍のF-35計画では

統合打撃戦闘機計画が90年代にスタート、概念実証機X-35の初飛行が2000年、F-35Aの初飛行が2006年。

更に運用開始へ10年を費やしています。

F-3を2040年に部隊運用させるとしても、2030年代前半にはXF-3(仮称)が初飛行する必要があるのではないでしょうか。

何にせよ具体的な姿を拝めるのは10年は先の話になりそうです(長いなー

またファントムの更新が終われば、今度はF-15JのPre-MSIP(近代化非改修機)の更新計画を速やかに進めなければなりません。

まだ見ぬF-3に至る道は、まだまだ長そうです。

参考資料
知られざるステルスの技術(著:青木謙知)
将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン(防衛省)
防衛省各年度 予算概要

痛飛行機弐