百里基地のファントムは、いつ頃引退になるのか

百里基地のファントムは、いつ頃引退になるのか

1970年代に導入されて以降、40年以上に亘り、日本の空を守ってきた戦闘機・ファントム。
F-4EJ改として近代化改修を受けて、なお第一線に配備され続けています。
しかし全140機が調達されたファントムも、2018年3月時点での登録機数は僅かに52機(レコンファントムを除く)

2019年3月には第302飛行隊がファントムの運用を終え、「オジロワシ」の名で親しまれたマークを掲げる姿が、その歴史に幕を閉じました。

これにより残る機体は第301飛行隊に集約されることになります。

今後ファントムはいつ頃まで飛び続けるのか、引退はいつ頃なのか。

分かっている範囲で解説していきます。

※第302飛行隊のファントム運用終了を機に、内容大幅変更


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第302飛行隊
機種転換

第302飛行隊は40年以上に亘りファントム部隊として活躍して来ましたが、2019年の3月を以って、その運用を終了。

2017年の年末に発足したF-35A臨時飛行隊が、ほぼ同時期に第302飛行隊の名前を受け継ぐ形で日本初のF-35部隊が結成されます。

 

第302飛行隊の三沢への異動により、百里基地は一時的に第301飛行隊のみでのアラート任務を行うことになりますが、2019年度中に今度は三沢からF-2の第3飛行隊がやってくることが決まっています。

第301飛行隊がファントムを運用終了するまでは、百里基地はF-4EJ改とF-2の2部隊が活躍する基地となります。

501飛行隊は
2019年度終了

偵察型のRF-4EやRF-4EJを配備する偵察航空隊の第501飛行隊。

2018年3月の時点で、RF-4EとRF-4EJ併せても13機しか機体が残っておらず、その後も引退が続いています。

次期防衛大綱では偵察航空隊そのものの廃止が確定しており、第501飛行隊は機種変更や他部隊への任務引継は行わず、2019年度中にその任務を終えることとなります。

2019年の百里基地航空祭がRF-4レコンファントム、そして第501飛行隊・偵察航空隊の最後の勇姿となるでしょう。

残る301飛行隊は
2020年度まで

第301飛行隊はF-35Aの調達が予定通り進めば2020年度中にはファントムの運用を終了することが確定しています。

2020年度までに導入されるファントムの後継機・F-35Aは、AX-22までの22機で1個飛行隊の定数ほどの数しかありませんが、当面は1個飛行隊を10機体制として運用する予定とのこと。

この2個目のF-35A飛行隊が第301飛行隊となります。

2020年は航空観閲式の開催年になりますので、その観閲式がファントムの最後の晴れ舞台となるかもしれません。

第301飛行隊が去った
百里基地はどうなる?

第301飛行隊が去ると、百里は第3飛行隊単独の基地となるのか?

実はこの空白を埋めるために、新たなF-15J飛行隊が結成されることが防衛大綱などで明らかになっています。

最新の防衛大綱では戦闘機飛行隊を12個から13個飛行隊へと増やすことが明記されており、また百里基地の地元・小美玉市議会での委員会議事録より

32 年度までにF4戦闘機の用途廃止。国内から予備のF15戦闘機を集め,新規部隊をつくる予定。百里基地はF2,F15の2飛行隊となる。

小美玉市議会 百里基地茨城空港特別対策委員会会議録
平成30年9月21日分より

となっています。

ファントムの去った百里基地はF-2の武者と新たなF-15が守り、そしてファンを盛り上げてくれることでしょう。

※参考資料
平成26年度以降に係る防衛計画の大綱について
中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)について
航空自衛隊三沢基地ホームページ
防衛装備庁調達・契約情報
デーリー東北新聞社平成30年1月24日付
月刊J-Wings2016年11月号・2018年3月号
各年度防衛白書