よく銃弾や銃火器の大きさを表すのに使う「○○口径」という言葉。

一般的には銃弾の直径を表すのに使いますが、これが艦砲などになると

「76ミリ62口径単装速射砲」

などという表現になり、76mmと62口径どっちがどっちなの!とややこしくなります。

実は「口径」という言葉には、軍事でも2つの意味合いがあるのです。

今回は、よく聞く「口径」という言葉を解説していきます。

小銃や機関銃の「口径」

恐らく一般的に使われる「口径」は、こちらの方の意味でしょう。
正確には「その銃の、銃身の内径」を現す数字であり、

単純に数字+口径で表記された場合には、数字を0.254倍したものが、おおよそ、その銃の銃身内径となります。

同様の表記で「.223」など、コンマの後に数字を並べる方法もあり、これは単純に25.4倍すると銃身の内径が求まります。

どっちで表現するか明確な決まりは無いですが、一般的に小数点以下3桁表記はマグナム弾などの強装弾に用いられることが多いイメージです。

一番分かりやすいのが50口径=12.7mmでしょうか。他にも22口径の5.56mm弾、30口径の7.62mm弾などが有名です。

表現方法には色々ある・・・

しかし、この「○○口径」という表記法、色々とややこしい部分があるのです。

例えば、日本の警察官の携行武器として有名な「ニューナンブ」。

口径は「9mm」となっていますが、使用する弾丸は「0.38 スペシャル」です。
先の計算式に当てはめてみると38口径は9.652mm。

あれ・・・?9mmの口径で、なんで銃弾は9.652mmなの・・・?となりますよね。

実は、0.38スペシャル弾の0.38インチは「薬莢の外径」なのです。

9mmの口径は正確には「0.357インチ」で、9mm拳銃用のマグナム弾は.357マグナムとなっています。

またライフルだと同じ30口径弾でも

  • .30-06スプリングフィールド弾
  • .308ウィンチェスター弾
  • 7.62mm×51mm NATO弾

など、同じ口径のはずなのに表記が多数存在します。

なので口径に関する銃弾の名前は「メーカーの商品名」と割り切ったほうが分かりやすいです。

「砲」の口径

榴弾砲・艦載砲や、大型の機関銃などは

62口径76mm単装砲

などと表記されます。

この場合、先ほどの銃火器の「口径」、即ち砲の内径は「76mm」の方が該当します。

またインチ表示の場合は

62口径5インチ単装砲

で、こちらの内径は5インチの方です。

では「62口径」は何のことかと言うと、砲身の長さを示しています。

簡単に書くと、こういうことです。

すなわち62口径76mm砲とは

内径が76mmで、砲身の長さはその62倍=4712mm=約4.7mの砲

ということになります。

ちなみに、この「口径」は正確には「口径長」という正式な名称があるのですが、もっぱら「口径」で定着しています。

何故、砲はこのような表記をするかというと、砲身の長さは砲撃の優劣を決める非常に重要な要素となるためです。

砲は火薬の燃焼による圧力上昇を受けて砲身内を加速していきますが、砲身が長ければそれだけ長い時間加速を受けることが出来るので、初速向上に繋がります。

初速が大きいということは、それだけ遠くを狙えるということであり、これは砲兵の運用にとって非常に重要な要素です。
(火薬を増やせばいいのでは?と思うかもしれませんが、燃焼速度には限りがあるので、火薬を沢山入れれば遠くへ飛ぶというものでもないのです…)

反面、長い砲は当然それだけ重くなりますし、自らの長さによるモーメントで曲がろうとするため、それを支えるために一工夫必要になります。

また陸上砲の場合、移動にも制約が生じますので、威力があっても重い・大きくて移動出来ないとなると、機動運用には不向きな砲となってしまうのです。

それ故、砲にとって口径を表記する事は、その砲の性能を示す重要な要素なのです。