海上自衛隊の艦艇勤務では、担当職種毎に「分隊」と呼ばれる区分けがあります。

大まかに分けると

  • 1分隊・・・砲雷
  • 2分隊・・・船務
  • 3分隊・・・機関
  • 4分隊・・・補給、衛生
  • 5分隊・・・航空(ヘリ搭載艦のみ)

いわゆる砲雷長、機関長などと呼ばれる人達は、この分隊のトップで、一般に三等海佐・または一等海尉が、その役を担います。
(2分隊は船務長と航海長がいますが、一般に船務長が分隊長になることが多いそうです)

また、それぞれの分隊内での更に細かな業務を「特技」と呼び、例えば魚雷を発射する担当者は1分隊の中で「特技・魚雷」の魚雷員となるわけですが、この特技の中で、唯一「1.5分隊」と呼ばれる変わったものがあります。

「水測」、すなわちソナーを担当する係です。

何故、1.5分隊?

水測員・ソナー担当が1.5分隊と呼ばれるのには、ちゃんと理由があります。

まず一般的な水上艦の場合、ソナーは基本的に「水中に潜んでいる敵潜水艦の発見」と、その攻撃に対してのみ使用する「戦闘行動」に特化した装備になります。

なので、水上艦における水測員の所属は砲雷を担当する「1分隊」です。

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しかし、これが潜水艦になると、同じ水測でも、役割が変わってきます。

潜水艦の潜航において、ソナーから入ってくる音というのは、戦闘行動のためだけではなく、自らが安全に航行する上で、不可欠な情報です。
何故なら、水中では光も入ってきませんので目視は不可能(そもそも窓がありません)、レーダーの類は浅い深度で超長波通信が、かろうじて受信出来る程度です。

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「音」は潜水艦にとって命綱とも言えるほど貴重な情報なのです。

と、なると戦闘行動を司る1分隊に水測員を配置するのは、運用の観点から非効率的です。

なので、潜水艦だと水測員は「2分隊」に配置されるのです。

水上艦だと1分隊に配属されるけど、潜水艦だと2分隊に配属される。
海上自衛隊の艦艇勤務でも非常に珍しい特技であるため

水測員・・・1.5分隊

という、俗称が付いているのです。

海自だと、いわゆる術科学校でまとめて特技の教育を受けるので、この1.5分隊という俗称も結構広く使われていると聞きますが、地域や年代によっては通じないかも?