米軍嘉手納基地編に続いて、もう1つの「連日のスクランブルを続ける那覇基地・第9航空団を自分の目で見てくる」という目的のレポートになります。

撮影は4月12日の夕方と、4月14日の日中に行ったのですが、撮影スポット滞在約8時間で、合計3回のスクランブル発進がありました。

百里基地をベースに撮影している自分にとっては、1日にスクランブルが複数回掛かるというのが、最早信じられない世界です…

そんな那覇の現状を見てきた率直な感想を、僅かながらでも伝えさせていただければと思います。

 

過密トラフィックの中に戦闘機が入り混じる

まず、到着して衝撃的だったのが、この光景です。

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滑走路36に着陸する304sqのイーグル。
後方には、737が2機離陸の順番待ちをしているという状態です。

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こちらも離陸待ちを横切っていくイーグル。
(機体下部にぶら下げているのは、曳航標的と思われる)

また同じ時間帯で、少し引きで写真を撮ってみると

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自衛隊機(イーグル)が1編隊、旅客機が6機離陸待ちという大渋滞の状態です。

国土交通省の統計によれば、那覇空港の年間着陸回数は約78500回(平成27年度)。
着陸便だけでも1日200便以上、離陸入れれば倍数なので400便以上が往来する、超過密トラフィックの空港なのです。

官民共用としては千歳・小松・三沢・百里もありますが、千歳は自衛隊と民間で滑走路が分かれていますし、三沢・百里は定期便が1日で数える程度。小松はそこそこ多いとは言っても、年間着陸回数は1万回もありません。

需要が多いためか大型機も頻繁に行き交う

需要が多いためか大型機も時折行き交う

しかも那覇空港の滑走路は1本だけ。

この状況下で更にスクランブル発進が頻繁に掛かる上に、早期警戒機E-2Cもいますし、海上自衛隊や陸上自衛隊の航空部隊、海上保安庁まで那覇を使うのですから、管制官の負担は想像を絶するレベルかと思います。

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最早、いつ不慮の事故が起きても全く不思議ではない状況だと思います。

「那覇空港は過密」というのはデータの上では分かっていたつもりでしたが、今回自分の目で、その現状を見てきたことは、非常に有意義であったと思います。

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次々と上がるスクランブル機
本州では想像も出来ない状況

筆者が普段撮影している百里では、スクランブル発進は月に数回あるか無いかといった頻度です。自分自身、まだその場面には一度しか居合わせたことがありません。

しかし最初に書いたとおり、那覇では2日、滞在時間8時間ほどの撮影で、合計3回のスクランブル発進を目撃する事となりました。

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今回、スクランブル発進を撮影したのは全て南風運用の状態。

スクランブル発進は通常ランウェイのエンド付近にあるアラートハンガー(那覇の場合、南側にあります)から速やかに滑走路へ向かい、風向きに関係なく最短距離の滑走路から離陸を行います。
しかし、那覇の場合は一度北側まで長い距離をタキシングして、他のトラフィックに合わせて離陸を行うという非常に特殊な運用が行われていました。

先の話と重なることではありますが、それくらい空港が過密状態にあるということではないでしょうか。
トラフィックの流れに逆らって空自機だけ反対方向へ上げるだけの余裕が無いのだと思います。

過密な離着陸の合間に訓練飛行も上がっていく

過密な離着陸の合間に訓練飛行も上がっていく

わざわざ逆向きに上がらなくてはならないということは、タキシング時間を考慮して、その分を早め早めに動かざるを得ないでしょうから、ただでさえ頻度の多いスクランブル対応の手間が余計に増えているのではないかと思います(誘導路待機など)。

今回、実際に自分の目で現場を見てきたことで、那覇の現状が如何に切迫しているかというのが、より実感できた気がします。
特に那覇の異常なまでの過密ぶりは、これは最早「危険」以外の何者でもないと感じた次第です。

民間機を巻き込んだ事故など、最悪の事態だけは避けるためにも、国主導による根本的な解決が求められるのではないかというのが、今回の遠征で得た率直な感想です。

最後になりましたが、那覇の最前線で勤務されている皆様と、緊迫した状況下で事故防止に努めていらっしゃる航空関係者の皆様への感謝を持って、結びとしたいと思います。

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痛飛行機弐