【独り言】基地での外柵撮影は当分、控えるべきと思う
緊急事態宣言の発令に伴い、外出自粛が続いている昨今。
茨城県の百里基地の公式アカウントから、このようなツイートが出ました。
#Fー4 の記念塗装機を本日ご紹介しましたが #百里基地 が所在する #茨城県 から、平日休日を問わず、不要不急の外出自粛がお願いされています。塗装機は最後まで飛び続けます。写真撮影は今、必要緊急ですか?事態が収束するまでは、ご自宅で #公式 の投稿をお楽しみください。よろしくお願いします。 pic.twitter.com/gymK2vsrgH
— 航空自衛隊百里基地 (@jasdf_hyakuri) April 15, 2020
いよいよ退役が目前に迫るF-4EJ改ファントム、その新たな特別塗装機が出てきたら、普段なら自分も喜んで撮影に向かうところでしょう。
ただ、筆者は少なくとも緊急事態宣言中は行くつもりはありません。
筆者なりの考えをまとめたいと思います。
外柵は【3密】じゃないけど
いわゆる基地外周部での「外柵」での撮影は、屋外だし風通しも良いし、回避すべき「3密」ではないでしょう。
大半の人は車で移動しますから公共交通も回避出来ます。
しかしそれで良いのでしょうか?
今回の感染症は、感染していても症状が出ていない人間からの感染リスクも指摘されています。
一方で、無症候又は症状の明確でない者から感染が広がるおそれがあるとの専門家の指摘や研究結果もあります。
(厚生労働省:新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け) より)
自覚症状が出ていない人間がやってきて、地元での感染拡大のきっかけになる。
その可能性は決して排除できないのです。
外柵は3密ではないかもしれません、車で移動するから公共交通には乗らなくて良いかもしれません。
しかしふと立ち寄ったコンビニで、トイレで。
自分が無症状のウィルス保持者じゃないと言い切れるのか?そこで誰にも感染させないと言い切れるのか?
そもそも、外出自粛要請は
・外出はしないこと
<外出せざるを得ない場合>
・3つの「密」を避けること
・人と人との間隔を2メートル確保すること
(九県都市共同要請メッセージより)
となっており、外出は「しない」のが基本方針です。
「【3密】を避ければ外出しても良い」とは何処にも書いていないのです。
「行くか行かないかは個人の自由だ」という人もいます。
その考えは否定しません。
しかし自由を行使できるのは命・健康あってこそです。
そして感染症をうつすというのは、あなた以外の誰かが「自由を行使するための命」を奪うことなのかもしれないのです。
自分は自由を謳歌して、他人の自由を奪うなど、そんなことは私はしたくありません。
基地は地元の理解と
協力で運用されている
航空基地、特にジェット戦闘機を運用する基地は、年間を通じてとてつもない轟音を発生させます。
そして航空機が飛ぶ以上、落下物、時には墜落。地上を巻き込む事故の恐れも常に付き纏います。
民家に墜落してあわや地上の住民の命も巻き添えにするところであったAH-64Dの墜落事故は記憶に新しい人も多いでしょう。
正直に言ってしまえば、航空基地なんて無ければそれに越したことはないものですが、国にとっては必要なものです。
そして、この狭い国土においては、どうしても住民の暮らしと近いところに基地を置かざるを得ません。
そんな「無い方が良い」けど「国にとって必要」な航空基地は、地元住民の理解と協力無くして成り立ちません。
我々が軍用機を撮影できるのは、地元住民のおかげなのです。
そこにウィルスを持ち込むかもしれない、そこで感染が広がるかもしれない。
少なくとも自分は、そんな恩を仇で返すような真似はしたくありません。
被写体あっての写真
そして我々が軍用機という被写体を撮れるのは、それを飛ばす「人」がいるからでもあります。
パイロット、整備、管制、地上支援、ありとあらゆる隊員の手で飛んでいるものを、自分は撮らせてもらっている。
その被写体である基地の人が「今は来ないでほしい」と言っている。
私は、被写体への敬意を払う意味でも、その意思を尊重したいと思います。
自分は写真って、後で見返して、思い出を振り返れるのが良い趣味だと思います。
(元々バイクに乗って、全国をカメラ持って走り回っていたこともありますが)
あの時は何時間粘ってこれだけだったな、奇跡的に晴れてこの良いのが撮れたからお天道様に感謝だな、この時手を振ってもらったな。
今でも過去の写真を整理していて、いろんな感情に浸ります。
【感染症で外出自粛中だけど、お構いなしに出かけて撮った写真】
1年後、5年後、10年後。
そんなものを見て、いい思い出となるでしょうか。
更に、もしも自分が出かけた後にその地域で感染者が増えたとニュースが流れたら。
写真と共に罪悪感しか残らないのではないでしょうか。
私は自分が後から見返して、そこに一緒に仕舞った思い出に納得できる写真を撮りたいです。
正直に言ってしまうと、この感染症との戦いはいつ終わるかは想像も出来ません。
もしかしたら今年の航空祭は全て無くなり、ファントムはひっそりとその名の如く「幻」のように去り行くことになるのかもしれません。
しかし、1人1人の外出自粛が早期終結の可能性を高めることも確かです。
その為にも、今は辛抱します。
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