6月16日の報道で、那覇基地から領空侵犯措置に向かおうとしていた第9航空団のF-15Jが管制塔の指示に反した行動を取っていた旨が発表されました。

この件についての考察などは次の機会に回しますが、今回は那覇のトラフィックが如何に過密状態にあるか、改めて解説していきます。

国内屈指の過密空港が官民共用

自衛隊の航空基地、その中でも領空侵犯措置に向かう戦闘機部隊と民間機が共同で利用する場所は三沢、小松、百里、那覇、全国4箇所があります。
(千歳基地は別飛行場の扱い)

しかし、それぞれの年間着陸回数を比較してみると

  • 三沢:1700回(日平均約5回)
  • 小松:8336回(日平均約23回)
  • 百里:2506回(日平均約7回)

小松が少し多いですが、概ね「過密」と言えるほどの状況ではなく、トラフィックには余裕があると言えます。

これに対して那覇空港。

那覇空港の年間着陸回数は

82890回

1日平均228回、文字通り桁違いの数です。

(着陸回数参考資料:国土交通省・空港管理状況)

ちなみに東海道新幹線の東京~新大阪間の1日平均運行本数が365本とのこと。
(JR東海 東海道・山陽新幹線メディア マーケティングデータより)
新幹線の運行間隔を上回るペースで飛行機が行きかっていることになります。

本州と海で隔てられている沖縄において航空輸送の重要性は非常に高く、那覇空港は日本の空港でも関西国際空港や福岡空港に次ぐ利用状況となっています。

日本において那覇だけが「超過密空港」と自衛隊の航空基地が同じ滑走路を共有しているという状態なのです。

陸海空が共同使用

那覇基地というとスクランブル発進を行う航空自衛隊のイメージがありますが、同じ飛行場を陸上自衛隊及び海上自衛隊も使用しています。

陸上自衛隊は第15旅団の第15ヘリコプター隊

海上自衛隊はP-3C哨戒機を有する第5航空群

第15ヘリコプター隊は年間を通じて頻繁に急患搬送対応にあたっており、第5航空群の哨戒機も宮古海峡などを通過する中国艦艇に目を光らせるなど、共に非常に重要な役割を担っている部隊です。

これらの部隊が、過密状態にある那覇空港を共同で使用しているというのは、やはり全国的に考えてもここだけが異常と言えます。

更に自衛隊ほど数が多くないものの沖縄県警の航空隊、海上保安庁の航空部隊も那覇空港を拠点としており、更に拍車を掛けています。

 

今回の1件について「スクランブル機は最優先であるべき」という意見も目立ちますが、如何せんこれまでに列挙したとおり、とにかく「過密」な状態にあるのが那覇空港・那覇基地の現状です。

これまでにもあわや大惨事というインシデントが度々起きています。
報道されないようなヒヤリハットも含めれば相当数の危険な事態が起きているのではないでしょうか。
インシデントが度々起きる環境は1件の重大事故を招きかねない状態です。

尊い人命が犠牲になるような事故が起きる前に、国には抜本的な改革に動いてほしいものです。