輸送機やヘリコプターで空高くから地上へ舞い降りる空挺降下。

何度見ても、その迫力には驚かされますが、空挺部隊が使っているパラシュート。

実はいくつか種類があるのを御存知でしょうか?

今回は第1空挺団で使用しているものを中心に、自衛隊のパラシュートの種類を解説していきます。

696MIと13式空挺傘

現在、最も多く用いられているパラシュートはフランス製のものを藤倉航装がライセンス生産したもの。通称12傘と呼ばれます。

旧式の60式空挺傘と比較して、格段に操作性などが向上したと言われていましたが
「空中でパラシュート同士が接触した際に変形しやすく、危険が大きい」
という短所があったようで、これを防ぐために降下する隊員同士の間隔をなるべく広めに取らないとならず、航空機の左右から同時に飛び出すことが原則禁止となりました。

空挺降下においては「なるべく短い間隔での降下」は非常に重要な問題となります。

何故なら間隔が広がると、最初に降下した隊員から最後の隊員まで、その着地地点が広範囲に広がってしまうため。
地上に降りてから部隊の集合に時間が掛かる、あるいは行方不明者が出る、こういったリスクを抑えるには短い間隔で飛び降りて、なるべく狭い範囲に隊員を降ろす必要があります。

そこで696MIの問題点を克服するべく、改良されたのが13式空挺傘。

上の画像と見比べても明らかに降下隊員の密度が違うのが分かるかと思います。

13式空挺傘の採用により、両扉からの降下が可能になりました。

現在の調達は全て13式空挺傘に切り替わっており、今後順次696MIを置き換えていくものと思われます。

自由降下傘 MC-4

696MIと13式空挺傘、どちらにも共通する条件として
「着地地点を細かく調整できない」
というのがあります。

これらのパラシュートはどちらかというと「基本は落下するのみで、微調整が可能」といったもので、パラグライダーのように任意に方向を変えたり、旋回したりということは出来ないのです。

そこでこれらと併用されているのが自由降下傘、アメリカ製のMC-4

パラグライダーに近い四角の形状をしており、降下隊員は巧みな操作で空中を滑空するように降下することが可能です。

主力に先立って降下地点を確保する誘導部隊や、隠密潜入を目的とした降下などは、こちらを使用するようです。

また陸自の調達仕様書を見るとMC-4の調達に酸素ボンベや呼吸器などもセットで組み込まれていることから、いわゆるHALO降下にもMC-4が使用されていることが伺えます。

ちなみに。

空挺団ではないですが、同様にパラシュート降下を行う部隊として航空救難団が存在します。

こちらが使っているパラシュート、空挺団と同じMC-4かと思いきや、空挺落下傘MC-5という別物の模様。

ぱっと見、見分けは付きませんが、何が違うのか未だに謎です。