寒いが中身は熱かった!2017年降下訓練始め

寒いが中身は熱かった!2017年降下訓練始め

2017年降下訓練始め

2017年、平成29年の降下訓練始めが1月8日(日)に習志野演習場で行われました。
心配されていた雨は、午後からの予報となり、雲こそ多いものの雨の心配は無し。
日差しが無く風があるので、ひたすら寒い見学となりましたが、寒さを耐えただけの価値はありました。

写真を交えながらおさらいしていきます。

今年は「空挺団」そのものにスポットを当てる

今年の内容は「陸上自衛隊」では無く「第1空挺団」そのものを、よく見てもらおうという意図が強かったように感じます。

例えばこちら

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この方達は「団本部中隊・降下誘導小隊」所属の方々。
主力に先駆けて降下して主力部隊が狙い通りの場所へ安全に降りれるよう、現地の気象観測などを行い主力隊搭乗機の降下誘導を行う部隊です。
中央のバルーンを空に飛ばして、上空はどんな風が吹いてるかなどを細かく把握するそうです。

こちらは、空挺隊員の方々が地上で着地の訓練を行う様子。
いわゆる「五点接地回転法」ですね。
ちゃんとしたコマ送りの写真が撮れたのは、初めてです。

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一通り確認が終わると落下傘の装着です。
ちなみに後ろに背負ってる主傘は15kg、胸に付いている予備傘は7kgくらいあるそうで…

今回は待ち時間に、こういった内容の展示を行っていただいたので、思ったよりも退屈せずに待てたと思います。

そうしているうちに試験降下が始まりました。

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試験降下は、その日の気象状態を調べるための一番最初の降下です。
このデータを基に、その日の降下に関する諸々が決定されます。

そして、本番降下スタート!

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第一陣で華麗な自由降下を見せる、このお方。

第1空挺団・団長 兒玉陸将補

そう、空挺団のトップです

空挺団のボスたるもの、自らが先陣を切って飛ばないとリーダーシップが保てないのです。

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自由降下傘をたくみに操って、着地もお見事!
御歳50歳は越えているはずですが、いやはや流石は文武両道のエリート…

これに続いて、各隊の隊長(佐官の方々)もどんどん飛んできます。

幹部の降下が終わると一息挟んで、本日のメイン展示スタート。

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C-1とC-130からの降下。
ちなみに今年は風の影響で、普段なら1パスで10人降りるところを半分の5人に減らしていました。
なんだ残念…と思ってたら、今年の降下は一味違った!

両側扉連続降下に対応した13式空挺傘を使っての降下を最後の1パスで実施してくれました!

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左右両方の扉から連続で隊員が降下するので落下傘の密度が桁違いです!
これはなかなかに鳥肌が立った!

サプライズは更に続く。

降下訓練始めには珍しい「お客さん」です。

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この方達の正体は

「アメリカ陸軍特殊部隊群・1st SFG」

いわゆる「グリーンベレー」の第1特殊部隊グループ所属の隊員です。

沖縄の通信施設に駐在しているのは知っていましたが、いやはや関東でグリーンベレーを生で見れる機会が来るとは。

降下展示はこれで一旦終了。
ここからは模擬戦闘展示です。

2チームに分かれて、バトラー(レーザー交戦装置)で模擬戦を行います。
現地だと状況が分かりにくかったので、どんな流れだったのかは解説出来ないのですが…
写真で雰囲気だけお楽しみください。

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バトラーは生放送の映像などでは見れたみたいですが、観客席からだと
「何が起きてるんだろう…?」
といった感じになってしまったのが残念でした。

模擬戦の後は、再度降下展示。

またしてもお客さんで、百里航空救難団のメディックによる降下です。

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救難団のメディックは第1空挺団でパラシュート降下の技術を習得します。

この後、自由降下展示&参加した航空機の紹介で今年の降下訓練始めは終了です。

戦車や装甲車などの参加が無く、また戦闘ヘリなども控えめだったので、中には地味という感想もあったようです。

しかし空挺団本来の姿は「精鋭軽歩兵」であり、重火力装備は「外部」からの支援です。
降下展示や空挺団本来の姿に拘るという展示、自分はとても良いと思います。

ただバトラーだけは、ちょいと見せ方を工夫して頂けると…