【独り言】航空祭の主役はブルーインパルスなのかなという話

【独り言】航空祭の主役はブルーインパルスなのかなという話

先日も書きました小牧におけるブルーインパルスの告訴問題。

SNSなどを見てても様々な反応があり、中には小牧でのブルーインパルスのフルアクロを推す署名なども行われているようですが・・・

こういった反応を見て筆者は、こう思いました。

「航空祭の主役って誰?」

と。

ブルーインパルスは確かに航空自衛隊に限らず、自衛隊という看板を背負って飛ぶ広報の華です。
その効果が自衛隊にとって重要であるからこそ、ドルフィンライダー・キーパーは約3年間、実働部隊を離れて「ブルーインパルス」に専念する任務が国から与えられます。

しかし全国各地の航空祭において、ブルーインパルスがその主役なのかというと、筆者は「NO」という立場なのです。航空祭は、あくまでもその基地に所属する部隊が主役だと筆者は思っています。

例えば入間ならC-1輸送機や飛行点検隊。

百里基地ならファントム

小牧ならC-130HやKC-767といった輸送機部隊や、救難の教育隊という、日本でここだけの部隊があります。

また飛行機だけでなく、地上の各部隊も様々な趣向を凝らした展示で楽しませてくれます。

こういった、その基地ならではの雰囲気全てが言わば航空祭というフルコース、地元機のフライトがメインディッシュであって、ブルーインパルスはその雰囲気に華を添えて一層盛り上げてくれる添え物というのが筆者なりの価値観です。

昨今のブルー人気に思うこと

ドラマ「空飛ぶ広報室」の放送以降、ブルーインパルスの人気はそれまでと比較しても桁違いに伸びたと思います。
ドラマが放送された2013年の入間基地航空祭の来場者32万人という脅威の数字がそれを物語っているでしょう。

ただ、どうもそれ以降「ブルーインパルス」というのが少し自衛隊から切り離された、浮いた存在になってしまっているのでは?というのが筆者の正直な想いです。

実際、入間の航空祭に行くとブルーの演技前にエプロン地区は最も混雑が激しくなり、そしてブルーインパルスが飛び終わると一斉に人が動き出します。
「ブルーインパルスだけ」見に来ている人がかなりいるのだと思います。

そんな世間の雰囲気に押されてか、航空祭も「ブルーインパルスを呼ぶこと」にやたらと拘っているような雰囲気が心なしか否めません。

自衛隊の活動を理解してもらう、興味を持ってもらうためのブルーインパルスが切り離された浮いた存在になってしまっているのは・・・正直それは自衛隊という全体を考えた時の広報戦略としてどうなのだろうかと。

 

小牧の件については「地元でフルアクロが見たいんです!」という地元のファンの声も否定しません。
これについては遠く離れたところに住んでいる人間がとやかく言うことじゃありませんので。

ただ「航空祭の主役」が地元機ではなくてブルーになってしまうような昨今の風潮は、短期的には良くても長い目で見たときどうなのか?
1人の航空ファンとして、筆者の疑問は尽きないのです。