自衛隊機の数字の意味(機体番号・陸自編)
陸上自衛隊の機体番号に関する解説です。
航空自衛隊の機体は2桁+4桁の米空軍方式で記載されますが、陸上自衛隊のヘリや固定翼機は、5桁表記です。
最初の1桁+次の1桁+残りの3桁で、3つの意味を持っています。
1桁目:機体用途
AH・CH・UH・OHなど、その機体の使用目的によって、異なる数字が付与されます。
7・・・AH 対戦車・攻撃ヘリコプター
6・・・TH 練習ヘリコプター(航空学校 TH-480B)
5・・・CH 輸送ヘリコプター(現役機はチヌークのみ)
4・・・UH 多用途ヘリコプター
3・・・OH 観測ヘリコプター
2・・・LR 連絡・偵察固定翼機
0・・・EC 特別輸送ヘリコプター
今のところ、1・8・9は欠番です。
2桁目:機種別番号
機体用途を更に区別するために、2桁目の機種別番号が用いられます。
例えば、1桁目の「7」を持つヘリはAH-1SコブラとAH-64Dアパッチがありますが、
AH-1S→「3」
AH-64D→「4」
で、別々の番号が付けられます。
但し、CH-47のJ型とJA型のように、モデルチェンジの場合には同じ番号を継続して使うようです(UH-1も同様)
3桁目~5桁目:製造番号
これは空自機と同じで、製造の通し番号が付けられています。
ただ空自機と違うのは、機体には、この3桁表記は描かれないという点ですね。
AH-64Dを横から見てみましょう。
機体の前側には5桁の機体識別番号全てが描かれています。
今度は機体の後ろ側、テイルローター付近。
3桁ではなく、陸上自衛隊を示す「JG」に機体用途の頭一桁を抜かした4桁を描いています。
(なぜ、陸自は4桁表記なのかは、いまいちよく分からないです)
また機体正面にも番号の下2桁が描いてあります。
機種別番号一覧
AH-1S コブラ
機体用途:7
機種別番号:3
製造番号:400番台
AH-64D アパッチロングボウ
機体用途:7
機種別番号:4
製造番号:500番台
CH-47J/JA チヌーク
機体用途:5
機種別番号:2
製造番号:900番台
ちなみにチヌークの機種別番号が「2」なのは、チヌーク導入当時は先代のバートルが現役だったためです。
当時の資料を見るとバートルに51○○○の番号が確認できます。
UH-1J イロコイ
機体用途:4
機種別番号:1
製造番号800番台及び900番台
UH-60JA ブラックホーク
機体用途:4
機種別番号:3
製造番号:100番台
UHで面白いところは、機種別番号の「2」が欠番で、ブラックホークは「3」になっているところですね。
UH-1は100機単位で調達するので、将来的に機種別番号分の一枠を使い果たして、もう一枠必要と考えたのかもしれません。
OH-1 ニンジャ
機体用途:3
機種別番号:2
製造番号:600番台
OH-6D オスカー
機体用途:3
機種別番号:1
製造番号:100番台
LR-2
機体用途:2
機種別番号:3
製造番号:0+50番台
EC-225LP シュペルピューマ
機体用途:0
機種別番号:1
製造番号:0+20番台
TH480B エンストロム
機体用途:6
機種別番号:2
製造番号:300番台
所属部隊表示
陸上自衛隊の航空機は、もう一つ特徴があって、所属部隊がアルファベットやローマ数字で描かれています。
この真ん中の「ⅣATH」という部分ですね。
これを簡単に解説すると
・ローマ数字だけ書いてある場合
数字が、そのまま所属飛行隊(師団の番号と同じ)
・ローマ数字+ATH
第○対戦車ヘリコプター隊
・HGP+ローマ数字
木更津の第1輸送ヘリ群 第103~106飛行隊
(ローマ数字は末尾一桁に相当)
他に方面隊付航空隊の表記もあったはずなのですが・・・
流石に、全国を網羅出来ておりませんので、割愛させていただきます。
機種別のコールサイン知りたい方は、こちらの記事を
(陸自機は基本的に機種別です、ハンターとか)
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