戦闘機・燃料満タンで!幾ら掛かる?
燃料満タンは幾らになるか
ガソリンスタンドで車に燃料を入れる際、「○○満タンで!」と言いますよね。
ミリタリー好きな皆さん、一度は考えた事が無いでしょうか。
戦闘機に「満タンで!」と言ったら、果たして幾ら掛かるのだろうかと。
今回は自衛隊装備に「燃料満タン」を頼んだら幾らになるのか、ざっくりですか計算してみました。
F-15J イーグル
F-15Jイーグルの機内燃料は、概ね7800L前後と言われます。
(出典:F-15Jの科学 著:青木謙知)
使用燃料は軍用ジェット燃料JP-4としますが、石油製品なので価格が結構不安定です。
ここでは平成28年度の春~夏頃に調達された価格から平均値を割り出し
52円/L
(現在、自衛隊機の燃料はJetA-1が主流となり、この価格は令和元年度で約75円/Lとなっています。なので令和元年度ではこれから先の価格は約1.5倍とお考え下さい)
ガソリンに比べて、意外と安いと思われるかもしれませんが、これは免税対象になっているというのが一点。加えてジェット燃料の主成分は灯油に近い成分なので、意外と安いのです。
この単価を使って、F-15Jの機内燃料7800Lを満タンにすると
405,600円
ちなみにWikipediaの情報を引用させていただくと、内部燃料のみでの航続距離は2800km。
北海道・稚内から沖縄まで直線距離で2500km程度なので、イーグルで北海道から沖縄まで飛ぶと燃料代だけで40万円掛かるという計算になりますね。
加えてイーグルでは最大3本の600ガロンドロップタンク=増槽を装備する事が出来ます。
(上の写真が増槽3本フル装備状態です)
600ガロン=2270Lとして1本満タンにすると約118,000円。
先ほどの機内燃料分と合わせると
759,600円
これで4600kmほど飛べるそう。
距離で言うと、宗谷岬→納沙布岬→沖ノ鳥島→与那国島と日本列島東西南北を巡るツアーが出来るくらいです。
しかし以上のデータは「J型」なので、1人しか乗れませんね(苦笑
ちなみに大きな推力を得ることが出来る反面、とてつもない燃料を消費するアフターバーナーを焚くと、最低でも1秒で1000円近く使っている計算。
ハイレートクライムなんてやったら、それだけで諭吉さんがさようならの世界。
今度からAB全開の飛行展示を見るときは是非とも「あぁ、今ので諭吉○枚燃やしたのか」という楽しみ方を(貧乏人根性
F-2(A型)
F-2戦闘機のA型では機内搭載燃料は、およそ4600Lと言われています。
(出典:F-2の科学 著:青木謙知)
F-15Jと比べると、かなり少ないですが、そもそも機体が小型ですからね。
これに単価を掛けると
239,200円
加えて、F-2でも増槽を積む事が出来ますが、実はF-2の増槽は2種類存在します。
機体中央第6ステーションには300ガロン=1130Lタンク。
主翼中央寄り第5/7ステーションには600ガロン=2250Lタンク。
上の写真だと、ブレイクに入っている一番奥の機体が中央300ガロンタンク搭載。
手前の2機は600ガロン×2を搭載した状態です。
実際には3つ全ての増槽を使う運用は出来ないようで、限界まで燃料を積み込むためには第5・7ステーションに600ガロン増槽×2で運用するので、F-2の増槽を含めた限界燃料搭載量は約9100Lで
473,200円
F-2用のF110-GE129エンジンは、AB出力でイーグル用のF-100エンジンとほぼ同じくらいの出力です。
単純に双発→単発で1/2と考えると、F-2はAB全開だと1秒で500円くらい使っているという計算になりますね。
F-4・ファントムⅡ
(H29.11 資料を変更)
F-4EJ改の燃料搭載量は約7400L
(出典 F-4 ファントムⅡの科学 著:青木謙知)
満タンに補給すると
384,800円
になる計算です。
加えて、増槽ですがセンタータンクは600ガロン。
主翼用は370ガロン。
RF-4Eなどで3個全ての増槽を積んでる姿を良く見るので、この状態をフル搭載とすると、全部でおよそ12500L。
650,000円
ちなみにファントムのJ79エンジンは、ピュアジェットで相当燃費が悪いです。
コメント欄にて頂きました情報によれば、アフターバーナー時はF-100エンジンと比較して約2倍の燃料を消費するとのこと。
機会があれば自分でもJ79エンジンの仕様書など見つけて、調べてみたいものです。(恐ろしい金額が出てきそうですが)
(H30.3 追記情報)
F-4E型のフライトマニュアルが手に入ったので、離陸時の燃料消費について正確な値が出てきました。
57534lb=約26000kgの状態で、MAXIMUM THRUST=全開出力で離陸した場合の燃料消費量は1575LB、ジェット燃料だとおよそ913L相当。
と、いうわけでファントムが離陸するにはおよそ
45000円
相当の燃料が必要です。
興味深いデータですね。 この手のデータは大好きです。
元々石油関係の仕事をしておりましたためもあります。
所でファンタム機のアフターバーナーを焚いた際の燃費についてですが、たしか航空情報誌だったか航空ジャーナル誌の別冊の特集に、「GE社のJ79は “18L/S”」 と記述されていたと記憶しています。 本機は二基搭載ですので18×2= 36L/S。 後は単価を掛けますと1,944円と相成ります。 倍ですね。 この別冊での説明に消防車のポンプの斗出量より多い燃料消費量であると内容の記述も印象深く記憶しております。
処分の為手元になく出典を明確に出来ず申し訳ありません。
Blue1様。
管理人より、コメントありがとうございます。
ファントムのAB出力の燃料消費のデータ、大変興味深いです。
やはりピュアジェットの燃料消費量は相当なものですね・・・
ありがとうございました。
スクランブルの回数と一回あたりの出動機数、平均距離を掛け算してみたいですね。
中露に請求したい迷惑料です。
さらに100機F35を買うんだそうですけど、何機戦闘機があって、どれくらいの空自パイロットがいて、どのくらいのペースで飛行訓練をするのでしょうか?
100機も買ってどうするのでしょうかねぇ。
面白いですね(^-^)
シェアさせてくださいませ