訓練見学(外柵見学)

訓練見学(外柵見学)

基地に戦闘機・航空機を見に行く

戦闘機や自衛隊の航空機を見るなら、やはり航空祭が一番ですが、何せ年に一度の機会しかありません。

なので、見たいときに見る、となると基地での飛行を外から見学するスタイルになります(ファンの間では通称「外柵」と)

各基地の詳細な情報などは、個々のページで情報を足していきますので、ここでは全体的な共通事項を挙げていきます。

出掛ける前に、これだけチェック

飛ばない日もある!

自衛隊機、特に戦闘機が飛んでいるので一番多いのは「訓練」です。
なので訓練がお休みの日には、基地に行っても見れる確率は非常に低くなってしまいます。
(実戦配備基地だと、スクランブルや任務飛行は年中飛びますが、数は少なめです)
訓練が休みの日は、おおよそ以下の通りです。

その①:土日祝日 盆暮れ正月

自衛隊も「公務員」なので、役場がお休みの休日は基本的に訓練も行っていません。
航空祭が近くなると臨時で実施したり、土曜日は訓練を行うという場合もありますが、基本的に休日=訓練飛行は行わない日という認識の方が良いです。

更に詳細を知りたい方は、戦闘機限定ですが

航空自衛隊射撃訓練等区域図

実は防衛省のHPに、全国各地の訓練空域における、訓練実施予定日が掲載されています。
この日に記載されている日に、必ず訓練を行う!というわけではないですが、少なくともここに記載されていない日に訓練飛行が無いのは確実です。
(自衛隊も役所なので、余程の事が無いと事前通知無しでの変更は行いません)

また経験上、金曜日はフライトが無い可能性が高めです。
(マニアの間では通称・魔の金曜日=「魔金」などと)

ただし祝日に関しては米軍には関係ありません。
米軍機は「アメリカの祝日」は休みますが、日本の祝日は平日扱いです。

その②:地元の公立学校の入試日など

自衛隊基地は地元との繋がりが深いので、公立学校の入試試験の日などに、騒音配慮で訓練をお休みにすることがあります。

その③:年度末・期末

自衛隊の各種計画は年度単位で管理されているため、年度末になると

「今年の飛行予定を全て終了している」

ということがあります。

また燃料やら整備部品も「国家予算」ですので、どうしても年度末は諸々御事情もあるようで。
(会社でも決算跨ぎやると経理から鬼のように怒られますよね)

また飛行計画については半期や四半期単位でも管理されてるそうなので、各期末(いわゆる四半期末)についてもフライトの可能性が下がるかもしれません。

天気予報は必ずチェック

天候が悪いと訓練がキャンセルされることもありますので、天気の良し悪しもチェックします。
しかしそれ以上に外柵見学で重要なのが「風」です。

飛行機は基本的に風上に向かって離陸・着陸を行いますので、離陸シーンを撮りたいなら滑走路の風上側に、着陸シーンを撮りたいなら風下側で待っている必要があります。

dsc_6306

dsc_6590

上の2枚は全く同じ場所で撮影した写真です(入間基地)
1枚目は滑走路の風上側なので「離陸」、2枚目は風下側なので「着陸」の撮影になりました。
風向きによって同じ場所でも、全然違う見え方になるのがお分かりいただけるでしょうか?

慣れてくると風上で離陸を撮影して、風下側に移動して着陸を、なんて楽しみ方も出来ます。
しかしあんまりバタバタすると楽しめるものも楽しめないので、最初はどちらかで腰を据えて楽しむのが良いと思います。

脚立は必要?

外柵見学で、どうしても避けて通れないのがフェンス・金網の問題です。
dsc_6068
フェンスの目的は「侵入防止」なので、当然人の目線より高い位置になり、写真を撮ろうと思うと、こんな状態になります。
これを解消するために便利なのが「脚立」ですが

dsc_6130

先ほどと同じ場所でも、離陸機はこんな感じで問題なく撮れます。

f4

着陸機も場所を事前にしっかり選べば脚立無しでも、十分こんな画になります。

脚立は金属製で、それなりに重量もありますので、地上走行中の機体を

dsc_3522

こんな風に、しっかり撮りたいということでなければ脚立は「不要」だと思います。(実際、筆者も脚立無しで動く事も多いです)

身軽さを取るか、撮影のバリエーションを増やすか。
お好みに合わせて使い分けるのが吉です。

また、横田・厚木など米軍の絡む施設では外柵に脚立を立てるだけで、基地の警備がすっ飛んでくることもあります。

目安としては4尺・120cm脚立があれば、十分顔は柵の上に出せます。
(脚立の一番上、天板に乗るのは危険なのでやめましょう)
車に載せやすいサイズも考えると、これくらいがベストでしょう。

また上が作業板になってる作業台タイプを使うと安定します。
(但し幅は取るので注意です)

外柵見学の注意事項

①私有地に注意

基地の敷地は当然「国」の管轄ですが、その周辺には私有地も数多く存在します。
空き地でも、基本的には法人・個人を問わず所有者がいるものです。
こういった土地に無断で立ち入っての見学は当然、御法度です。
特に農地などへ踏み入って、農作物を傷つけてしまうと農家の方へ多大なご迷惑をお掛けすることになります。
公道、または公共の公園・広場などで見学しましょう。

場所によっては道の隅っこで、ということもありますが、この場合も通行の妨げにならないのが鉄則です。

②駐車場所はよく考えて

航空祭では臨時バスなどの運行があっても、普段は交通の便が悪い基地も多いので、車を使わざるをえないこともあります。
(特に撮影する場合は、機材や脚立など運びますので)

しかし、生活道路に駐車して近隣の住民が迷惑するという事例が後を絶ちません。
入間基地では毎年、ブルーインパルスの予行日ともなれば、違法駐車が列をなして、パトカーが拡声器で移動を呼びかける始末です。

少し離れたところに停めて、歩くくらいの気持ちを持ちましょう。

地元の方に迷惑を掛ける事は御法度です。

③基地内は業務中

航空祭の日は「来場者」になりますが、普段の基地は「仕事」をしているのであって、我々はそのお仕事を「見学させてもらう」という気持ちを持ちましょう。
基地の方の手を煩わせるような事態を起こすのは論外です。

dsc_3636

航空機だけでなく、それを支える各職種の方々が行ったり来たり。
お仕事の邪魔にならないように

ローカルルール問題

外柵撮影において、いわゆるローカルルール問題というのが度々発生します。

その中でも「この機体は撮っちゃダメ」「この場所は撮っちゃダメ」など、いわゆる防衛機密に関するものは何かと賛成・反対派で揉めやすいです。

筆者自身は「外から見えるものや公表されている資料に機密も何も無い」というスタンスです。むしろそんなところに機密があるなら法整備を進めてでも、今すぐに隠してほしいです。

何故なら個人が趣味レベルで出来ることなど、当然「国」の力を持ってすれば、いくらでも同じ事を出来てしまうのですから(何処の国とは言いません、ご想像にお任せします)

ただ撮ったものを何でも無制限で載せているわけでもないです。自分なりに「線引き」はしているつもりで、ひっそりとHDDの中で眠っている画像も沢山あります(特に米軍関連や潜水艦部隊などはかなり制限掛けてます)

誰々がダメと言ったから、誰々がOKと言ったから、ではなく「自分がOKと思うか」で線引きして自己責任で行動するのが大事だと思います。

外柵撮影 (個人的)用語集

メラメラ

アルファルトの輻射熱で陽炎が発生して、遠くの被写体がモザイクかかったような状態になること。
特に夏の撮影では泣かされることが多い。

meramera

ランチェン

ランウェイ・チェンジ、すなわち使用する滑走路の方向が反対になること。

風が滑走路に対して、横成分多目で吹いているような状態だと起きやすい。

常連さん

その基地で日頃から見学・撮影している皆様。

色々と撮影情報を教えてくれたり、地元の情報を教えてくれたりする方もいるが、中には、その場所を自分の縄張りと言わんばかりに「ヌシ」と化している、ちょっと近寄りがたい方もいるので気をつけられたし。

あと「○○を監視する会」など、いわゆる「アカい」方々が基地の周りにいることも。

お手振り

パイロットの方が、外周のギャラリーに手を振って挨拶してくれること。

主にタキシング中だけど、複座機ではアプローチ中に手を振ってくれる方も。

otefuri

但し、あくまでもサービスなので、勝手に過度な期待をするのはNG。

アラハン

アラート待機の飛行隊が所属する基地に存在する格納庫、アラートハンガーの略。
タキシング時間を極力省いて速やかに滑走路へ出て離陸体制に入るため、滑走路のエンド側に設置されている。

arart

中には5分以内に緊急発進可能な状態で、実弾を装備された戦闘機が置かれており、指令が出されると直ちに戦闘機2機が離陸する。

基本的に扉は閉まっているが、機体の入れ替えなどで開いていることも。

アラハンが開いてる=スクランブル発進、というわけではない。

アラートハンガーの中が写った写真をアップすることには賛否両論あるが、普通に見れるものなので個人的には「外から見れるものはOK」のスタンス。

ノーフラ

基地に行っても飛行機が全く飛ばないこと。悪夢。