Stay Home 家で楽しむミリタリー読書。筆者のオススメ本。
感染症対策で外出の自粛が求められている昨今、家での時間の過ごし方としてやはり有意義なのは「読書」
余談ながら目次画像の潜水艦でも、「読書」を息抜きにする乗員は多いそうです。
(音を立てることを極端に嫌うため)
筆者の本棚の中から、活字メインでそこそこ時間を掛けて読むことのできる、Stay Homeのお供にオススメ出来る本を紹介していきます。
波乱万丈パイロット人生
トップガン奮戦記
トップガン奮戦記/戦闘機パイロットのナイショ話
著:菅原敦
国内・国外問わず戦闘機パイロットの方が記した本は、紹介しきれないほどありますが、こちらのトップガン奮戦記は良い意味で「戦闘機パイロットの人間らしさ」を感じる一冊。
著者の菅原氏はF-86Fに始まり、F-104J、更にF-4EJまで操縦されて、更に航空学生から空将補で航空団指令まで昇進。
総飛行時間5500時間を飛んだ、まさに空の男・戦闘機パイロット・・・
なのですが。
この本の面白いところは、そんな空の男の「やっちまった」体験談、書名にもなっている「ナイショ話」を惜しげもなく記してくれていること。
抜かなきゃいけないセーフティピンを抜き忘れて、こっそり誤魔化したけどバレて大目玉をくらったというような話から、なんとF-86で「ギアを下ろし忘れて胴体着陸した話」まで。更にすごい「落とし物」の話も載っていますが、それは読んでみてのお楽しみとしましょう。
先ほども書いた通り、戦闘機パイロットの本は数あれど、ここまで惜しげもなく失敗談を書いてくれてる本は珍しいでしょう。
また、この方、自衛隊の過去の逸話で出てくる「戦闘機で北海道のトドを撃った」、いわゆるトド撃ちに参加したパイロットでもあり、その逸話も本書にユーモアたっぷりに記されています。
しかしユーモアに溢れる一方、5500時間を空の上で過ごし、悲惨な航空事故を見て、自身も何度も死と隣り合わせの危険な飛行を体験してきた戦闘機パイロット。
氏の考える「空を飛ぶことの厳しさ・残酷さ」「戦闘機パイロットという厳しい世界」にも触れられており、喜怒哀楽、感情豊かな「戦闘機パイロット」の姿を見ることの出来る一冊です。
2002年初版と古いことから残念ながら古本しか出回っていませんが、一部の電子書籍にも対応しています。
大海原での潜水艦との頭脳戦
潜水艦を探せ
潜水艦を探せ・ソノブイ感度あり
著:岡崎拓生
こちらは、海上自衛隊で長年「哨戒機」に搭乗されていたパイロットの方が記した一冊。
昭和34年・航空学生第3期で海上自衛隊のパイロット人生を歩み始め、P2V-7、P2J、P-3Cと乗り継いで9200時間を飛んだ、海上自衛隊の対潜哨戒機の歴史と共に歩んだ方です。
パイロットの著書は多くとも「対潜哨戒機」のパイロットの方が書いた本は珍しいのではないでしょうか。
書いてある内容は大半がP2V-7からP2Jにかけてなので、やや昔の話であることは否めませんが、大海原で海に潜んでいる潜水艦を探すというのが如何に緻密な計算と、時に「直感」に基づくものか、サッカーチーム並みの人数で1機の哨戒機をチームとして動かすのが大変かというのが、著者の方の長年の経験を基に描かれています。
また昔の話がメインになるものの、どのようにソノブイを投下していくか、潜水艦と対峙する間はどんな飛び方をするか、MAD(磁気探知機)はどのように使うのかなど、かなり詳細に記されています(探知距離などは流石に機密なのか書いていませんが)
こちらは通販サイトなどでも中古が多く出回っています。
潜水艦の構造から運用まで
潜水艦完全ガイド
潜水艦のメカニズム完全ガイド
著:佐野正
潜水艦を探す側の話を読んだら、探される側の話も読んでみたいというもの。
海上自衛隊の潜水艦は三菱重工と川崎重工が製造を担当していますが、著者の方は川崎重工で潜水艦の設計部長を担当されていた方です。
著者の方が潜水艦に乗っていた側ではなく「作っていた」側なので、潜水艦内でのエピソードなどは少ないですが、一方で潜水艦の歴史や構造・原理などについては、かなり分かりやすく記されています。
「潜水艦とは何ぞや?」という入門の一冊にオススメ出来ます(電子書籍あり)
他にも紹介したい本はまだまだありますが、今週はこの辺にしておきます。
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