まもなく令和。平成の30年間を働き続けた自衛隊装備たち
元号が変わるまで残すところあと数日となりました。
様々な出来事があった平成の30年間。
その平成の時代を働き続けた自衛隊の装備たちを、この機に紹介していきます。
護衛艦・艦船
昭和の時代に生まれて、今なお現役で活躍する艦船は実は少なくありません。
画像左側の艦番号DDG-171、はたかぜ型護衛艦のネームシップ「はたかぜ」は昭和59年進水、同61年の就役。
2020年には「まや」が後を継ぐ予定となっていますが「はたかぜ」は当面の間練習艦として現役に留まる予定です。
汎用護衛艦ではDD-152「せとぎり」が、平成に変わってから最初に就役を迎えた艦になり、それより以前に建造・就役したDD-151「あまぎり」、及び「はつゆき型」の現役艦(護衛艦まつゆき、あさゆき、練習艦せとゆき・しまゆき)は平成30年間を働きぬいたことになります。
護衛艦以外では、海洋観測艦の「わかさ(5104)」が昭和61年の就役です。
(画像一番右の艦が「わかさ」)
戦闘機・輸送機
平成30年間を働きぬいたというと、やはり真っ先に浮かぶものの1つが航空自衛隊のF-4EJ改・ファントムでしょう。
ファントムが航空自衛隊に導入されたのは昭和46年、最終号機の440号が引き渡されたのが昭和56年。また偵察機のRF-4も昭和50年に導入されているので、現現役で飛んでいるファントムは全て昭和時代の生まれです。
また、ファントムの調達から間を空けずに後継機であるF-15Jの調達も開始されている為、実はF-15Jにも昭和生まれの機体が少なくありません。
機番でいうと800番台の機体は全て昭和生まれ、900番台も905号機までは昭和63年に引き渡されています。
(906号機は1989年引渡しであるが、何月に引き渡されたか不明)
実はイーグルも半分は昭和生まれで平成30年間を働き続けたのです。
また輸送機ではC-1が昭和56年に調達終了となっているため、現役の機体は全て昭和生まれ。
旅客機としては全て退役後も自衛隊で飛び続けるYS-11は言わずもがな、全て昭和の時代に生まれた機体です。
最も古い151号機に至っては昭和40年生まれ、50年以上も日本の空を飛んでいる大ベテランになります。
航空自衛隊以外では、対潜哨戒機P-3Cの調達が昭和56年から始まっています。
機体保有数が昭和63年3月末で40機、平成元年3月末で50機となっていることから機体番号が5045番くらいまでは昭和生まれと思われます。
但し昨今、P-1の調達により退役した機体も多いため、昭和生まれのP-3Cが今現在どれだけ残っているかは不明です(画像も平成27年撮影)
戦車・車両
戦車では昭和49年に調達が開始された74式戦車。
調達の最終年度となった平成元年に56両の予算が計上されていますので、全873両のうち800両以上は昭和生まれです。
その他には87式偵察警戒車、82式指揮通信車、155mmりゅう弾砲(FH-70)などの装備が昭和の終わりごろから調達が開始されており、初期に導入された車両には昭和生まれが少なくありません。
平成の30年間は、自衛隊の装備が1度も戦争を経験することなく終わろうとしています。
兵器にとって最良の引退は、1度も実戦に投入されずに役目を終えること。
平成30年間を働き続けた装備品たちがこのまま幸せに最後を迎えられること、そしてそんな時代が今後も続く事を、次の時代に願いたいと思います。
※参考資料
- 各年度防衛白書
- 海上自衛隊HP
- 世界航空機年間(せきれい社)
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