イギリス海軍・揚陸艦アルビオンを見に行ってきた
今年の春頃から、北東アジア海域に派遣されているイギリス海軍の揚陸艦・アルビオン(アルビオン級1番艦)
今回、晴海埠頭に入港して一般見学の機会があるということで、これは見ない手はあるまいと行って参りました。
想像以上の巨体
朝8時頃に晴海埠頭へ到着。
この時点で既に待ち行列は100人を超えている状態。注目度の高さが伺えます。
一部の情報で日曜日の公開は13時からと言われていましたが、現場では予定通り10時から公開するとのアナウンス。
5時間待ちは流石に辛いと思っていたので助かりました。
10時に開場されて岸壁に行くと、遠くで見るよりも更に巨体にみえるその船体。
基準排水量で約15000トン・全長178メートルあるとのことで、海上自衛隊ならDDHひゅうが型より一回り小さいくらいでしょうか。
入口付近にはBvS10バイキング装甲車が展示。
この車両、自分の知る限りでは日本国内で展示されたことは一度も無いはずです。文字通りの日本初上陸。
入場待ちの待機列から、こんなものを見せてくれるイギリス軍、大サービスです。
手荷物検査を終え
いざ艦内へ
乗艦前には手荷物検査を受けますが、なかなかに厳しい。
バッグの中身が多いと一度外に出して、底の方に何か無いかも入念にチェック。
手荷物検査を全部終えたと思ったら、その状態で自身でポケットを叩いて何も無いのをアピールして、やっとOK。
ただ、どれだけ厳しいかは米軍・自衛隊と同様に隊員さんの個人差があるようで、列の進み方もかなりバラつきがありました。
何はともあれOK貰って、いざ艦内へ。
艦内に入ると早速、各種の装備品・車両があちらこちらに。
あいにくイギリス軍装備に詳しくないので、どれがどの装備か分からないのが悔やまれるところ。
アルビオンはドック型揚陸艦なので、搭載艇などを発進させるためのウェルドックを有します。
ウェルドックに水陸両用車や小型艇が置かれた状態を見れるのは貴重な機会かもしれません。
ここから急勾配のスロープを登りフライトデッキへ。
デッキは海兵隊装備だらけ
フライトデッキは大型ヘリの運用も可能と言うだけあり、かなりの広さ。
そして、そこにはイギリス海兵隊の装備品がズラリと展示。
しかも「実際に触れる」という大サービス!
まず目の前にあった、これを触らせてもらうことに。
L139-A1。H&K社製の40mmグレネードランチャーです。
と、言っても扱い方など分かるわけがなく。
横に立っているマルチカム迷彩の海兵隊員さんに説明していただきながら
「まずは、このレバーを引いて!」
初弾装填用のチャージハンドル、とりあえず目いっぱい引いてみるも
ビクともしない
もっと強く!と言われるが、本当に重い。
腕じゃなくて上半身全部で手前に持ってくるような感じです。
「スコープを覗いて、OKならこのレバーを握るんだ」
ビビりながらレバーを握ってみると・・・
ズドン!!
凄い振動と衝撃。
40mmのグレネードを投射する機械の威力は凄まじいものでした。
せっかくの機会だからと他の装備品もどんどん試してみることに
なんとM2重機関銃を実際に動かしてみたり、ジャベリンの照準器まで覗かせてくれるという大判振る舞い。
実際に持ってみる、触ってみることでしか感じられないこともあるので非常に貴重な機会です。
装備品を一通り見て反対側に目をやると、アルビオンの各部門による展示が。
こちらは海自なら飛行科(5分隊)に相当する部署の模様。
各種の制服やら機材を並べていました。
水上勤務に欠かせない「食事」担当の方々。
イギリスの食事というと色々言われることも多いですが、船の食事は如何ほどのものなのか。食べてみたいものです。
こちらは機関科の応急に相当する部署のようです。
木材やらを打ち込んで損傷部を塞ぐのは、イギリスでも変わらない方法みたいですね。
艦尾にはBvS10が展示されていました。赤十字マーク付きなので、医療・救助部隊用の車両でしょうか。
BvS10は他にも車内を自由に見れる状態の車両が置いてありました。
こちらは後方車両の内部。兵員輸送用のユニットで両側にシートが配置されています。
運転席は左ハンドル。ペダルは2ペダルでオートマのようです。
欧州の体形基準なのかペダルがかなり遠く日本人には踏み込みにくいかも。
せっかくなのでフライトデッキだけでなくグルリと一周してみることに。
茶色と黒の迷彩が施された小型の船。
LCVPという車両・人員揚陸用の小型艇だそうです。
映画・プライベートライアンの冒頭を思い出します。
此方は特に説明が貼ってなかったのですが、小型のゴムボートのようです。
更に艦首側へ進むと、何とM134ミニガンが。
展示品ではないようなので触るのは遠慮しましたが、こんなに間近でミニガンを見れるとは。
艦首にはユニオンジャックと、近接防御用のCIWSが。
CIWSに装填されているのは訓練弾・模擬弾でしょうか?
右舷側に周ると艦名を記したプレートと鐘が。
この鐘なんのためのものなのか、聞きそびれてしまいました。
艦尾の軍艦旗を撮影して、出口へと。
格納デッキの上部は隊員の背嚢らしきものがぶら下がって、非常にリアリティのある光景です。
最後に外から1枚撮って見学終了。
アルビオンの乗員の方は、どなたもとても気さくでフレンドリーでした。
自身の英語力の無さ故に最低限の会話しか出来なかったのが悔やまれますが、貴重な機会を頂いたイギリス海軍・海兵隊の皆様に心より感謝致します。
コメントを書く